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鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様

鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様

鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様

作家
朱川湊人
出版社
集英社
発売日
2010-08-26
ISBN
9784087713688
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鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様 / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

昭和も良いですが、ロマンが浪漫の大正に魅せられます。陰陽師めいた雪華の正体?コレクタア?『わくらば』に続き追いかけねば。表題作が耽美で好みですが、序章の第一段以降は、表題作から最終第五段まで甲乙付けがたし。『みれいじゃ』とは優しいネーミングされますね。本質突けない凡庸な私は外堀から攻めましょう。検索要する物件多すぎです。血止めになるかな?『パテシバ』『ピレネーの城』『平井某』『惣三郎』etc・・・『お嬢吉三』が出てきますが、歌舞伎になぞらえた段目の章立てでしょうか。『薄紅雪華紋様』は、さて何段目まで?

2011/02/26

kishikan

今の槇島が過去の思い出として語っているところもあるから、続編が出るのは間違いないでしょうね。それはともあれ、美貌の天才画家「穂村雪華」や大正時代の東京それも神田、上野、本郷、根津界隈の描写は、小説としてだけでなく、下町散歩を愛する者にとってもとっても魅力的。大正浪漫の香が漂ってきそうなホラーミステリー5編が綴られている。中でも僕としては、親子愛の深さを切なさに変換して描いた「畸談みれいじゃ」に朱川らしい味わいを感じる。次作も楽しみだね。

2010/10/28

しろいるか

朱川さんの作品といえば昭和30~40年代を描いたものが多いが、これは大正初期が舞台。絵描きとして身を立てるために家を出た槙島が出会った聡明で風変わりな青年・穂村江雪華。彼と同じ下宿「蟋蟀館」に住み行動を共にすると、不思議な出来事にばかり遭遇する…。探偵小説好きで、後に作家として大成する平井某とか、本好きの心を擽る小ネタも盛り込まれてたり、隻眼の娘・お欣に見えるという東京上空にある大きな岩が、ある史実の予言めいていたり、文体も含め大正浪漫を感じて面白かった。雪華が謎めいたままなのも余韻となって良かった。

2012/12/10

ちはや@灯れ松明の火

そっと手繰り寄せる、触れた傍から溶けてしまう風花のような遠い日々を。分かち合った一時を描き留める為に。黎明と暗黒の狭間に漂う凪の時代、絵筆を握り夢を食み、目に映るだけが総てだと信じていた。冷たさと儚さとを含んだ六花の面差し、世界を覆う外皮を鮮やかに剥がす指先、闇の中に取り遺された哀しみを見据える双眸。彼との邂逅が毎日を塗り替えた。愛しいという想いは、生きたいという切望は、やがて魂を縛りつける枷となる。未練に囚われた者たちを静かに見つめていたあの面影を描き残そう。ふたり同じ時代を歩いていた、その証として。

2012/01/24

財布にジャック

表紙の華宵の絵が内容にぴったりとくる大正ロマンな作品で素敵でした。「畸談みれいじゃ」がストーリーとしては切なくて一番好きでした。しかし新選組ファンな私は惣三郎が登場する時点で「壺中の稲妻」にメロメロです。司馬遼太郎の「新選組血風録」の中の「前髪の惣三郎」や大島渚監督の映画「御法度」の主役の惣三郎ですよね。土方さんの名前もチラッと出てきて、続編に新選組を登場させてくれないかなぁとちょっと期待してしまいました。

2010/11/15

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