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おとぎのかけら 新釈西洋童話集

おとぎのかけら 新釈西洋童話集

おとぎのかけら 新釈西洋童話集

作家
千早茜
出版社
集英社
発売日
2010-08-26
ISBN
9784087713701
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おとぎのかけら 新釈西洋童話集 / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

西洋童話をモチーフにした千早さんの短編集です。中には地味に結構エゲつない感じのホラーな作品もあり、ボリュームは薄めながら、その多彩な世界観を十分に味あわせてくれます。とにかくヒヤヒヤと追いつめられるような話や、どこか儚げでうっすら哀しい話、いたって普通に感じながらもどこかに前向きになれそうな話など、千早さんのいい意味で‘書きたい放題’な感じが伝わります。個人的には「凍りついた眼~マッチ売りの少女」が印象的で、千早さんの魅力が凝縮された話かなと。「白梅虫」はそんじょそこらのホラーよりインパクトありましたね。

2014/11/03

シナモン

西洋童話をモチーフにした短編集。じんわりと暗く、時に残酷でザワザワする感触を堪能しました。「ひどく眩しい朝でした。空気中に硝子の破片が散っているようでした」ひんやりと上品な文章がその不気味さに輪をかけているような…。その中に暖かさを感じる「金の指輪」の物語があって良かった。これが一番好みかな。朝読書で読んだけど、朝から読むにはヘビーな一冊でした。

2020/10/27

ハッピーエンドが多い西洋童話。どんな悲しいことがあっても最後は幸福が訪れる、そんなお話ばかり。しかし本作はどちらかというとアンハッピーなラストが多く、ぼんやりとしてると暗闇にストンと落ちてしまいそうな危うさ、そして夢や希望なんてものはなくただ現実にありふれる残酷さが感じられた。中でも、白雪姫をモチーフとした「カドミウム・レッド」が好きだ。危うくて、今にも腐り落ちそうな内面を持つ美しい彼女。純度の高く本当の美を知る彼女の見る世界は醜いのだろうか。それとも滑稽にうつるのだろうか。

2015/02/27

takaC

そういう解釈もありかもしれないけど、直接過ぎて不快かも。各話ともタイトル見ないと原話が何なのか良く分からないし。

2012/10/05

やも

おとぎ話をモチーフにした短編7話。同じようなテーマのアンソロジーで【注文の多い料理小説集】が思い浮かぶけど、こちらはかなりダーク。おとぎ話とリンクしてるかって言ったら「言われてみればなるほどね、たしかにね。」みたいな。【いつでも呼んだら私のために来てくれる7人の男】を使う自己愛すげー女のコとか、【マッチが無くなるまではここで男の好きにさせるしかない】と部屋から出られない少女とか、【幼い頃に会った少女が落としていった指輪がハマる女を探す金持ち男】とか。うっすらリンクだけど、ダークな世界観に酔いしれた。★4

2022/08/19

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