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ワーカーズ・ダイジェスト

ワーカーズ・ダイジェスト

ワーカーズ・ダイジェスト

作家
津村記久子
出版社
集英社
発売日
2011-03-25
ISBN
9784087713954
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ワーカーズ・ダイジェスト / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

津村記久子さんお得意のお仕事小説。なんといってもリアリティが身上。奈加子の勤めるデザイン会社はアルバイトも含めて総勢9人という小さな会社。内実は良く知らないが、まあこんなものかなと思う。かつて、仕事でデザイン会社の事務所を訪れたことがあるが、スケールといい雰囲気といい、こんな感じだった。重信の勤める建設会社となると、さらに想像がつきにくいが、おそらくはこんな風なのだろう。津村記久子さんの想像力には感服する。エンディングもなかなかに粋だ。まさに大人の小説といった味わい。オチが…などと言い出すのは野暮だ。

2014/09/06

なゆ

津村さんの描く人物が、文章が、たまらなく好き!と改めて思った。独身で会社勤めの男女それぞれの朝の目覚めから通勤風景、仕事での奮闘、人間関係の苦悩、友人関係などなど、すごくリアル。かつての私をどこかで観察されてたのか??と思うほど。どこか不器用なようで、不安もあるけど、それでもなんとかうまくこなしていく日常。良くもないけど悪くもない日々。もしかしたら大きな変化につながるか?と期待させるラスト。淡々としてるけど時々ツボ~な笑える言い回し。読み終わってしまったのが残念でなりません。

2011/06/23

Miyoshi Hirotaka

社会人10年目の32歳。この年でも独りでいることは珍しくなくなった。「クリスマスケーキ」という結婚へ背中を押した基準がなくなって久しい。漠とした忙しさのせいで機会を求めることすらしなかったり、勝手な理由で機会を捨てたりという選択の結果だ。ところが、加齢による容姿や機能の劣化に悩みだすのもこの時期。年齢、名字、誕生日が同じ男女の偶然の出会いとその日常を通じ、生物としての人、社会人としての人が抱えるねじれを浮かび上がらせる。それは、今の30代の会社員が抱えている様々な課題や悩みのダイジェストといえるものだ。

2015/07/07

とら

題名が、何か良かったのです。語呂が良かったのか何なのか分からないけれど、何か良かったのです。もう、ほぼそれで手に取ったと言っても過言では無いので、内容は特に期待してなかった。またこれも、前に読んだ本と同じく自分にはまだ分からない世界、年代の人が主人公の物語であった。憶測で読むしかないのだけれど、でもこの本に関しては、読み終わって心がほっこりする感じが確実に分かった。年取ると結婚とかしないと!って焦るのだろうと思っていたけど、こう、自由に思えるって良いと思う。自然に惹かれあって繋がった方が素敵だと思う。

2013/04/29

みゃーこ

これは日記だろうか。日常の心象風景を代弁するようにただ単調で虚しく…それでいて何かが変わり始める過渡期に対する焦りの中で自分なりの文化を築こうと日々を送る二人の姿は多くの人間の現実に限りなく近い。作家自身が会社員をしながらこういった日常の何気ない会話を実際に経験し観察しながら書きすすめられているのだから文章が生き物になるのも理解できる。距離が近い。二作目は、何となく胸が詰まった。不器用なやり方では世の中渡れないかもしれない。でも、見てる人は必ずいる。育てるとはその人の中に生き続けることなんだ。

2012/11/16

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