オーダーメイド殺人クラブ
オーダーメイド殺人クラブ / 感想・レビュー
風眠
死を想うことで、生きることへの執着がくっきりと浮かび上がってくるような感じ。それはきっと彼や彼女たちにとっては、ものすごく格好悪いことなんだろう。生きることは格好悪いことなんだよな、とふと思う。だから「若さは恥の記憶の連続」という言葉にものすごく共感できる。今の中2も、昔の中2も、呼び方がかわっただけで病の本質は変わらないのだ。誰もが通る病の時期。大人になると忘れてしまうだけ。この本に出てくる中2たちも、等しく大人になっていくんだよなぁ・・・とか思ってみたり。
2011/12/08
遥かなる想い
題名を見て、最初は ぱっとしないタイトルだと 思ったが、そこは確かに 辻村深月が描く少年Aの 世界だった。クラスでシカトされるアンと 「昆虫系」の徳川。 中学二年という危うげな世代の 少女たちの心の動きをうまく 書き込んでいる。 だが読みながら、なぜか、正直 もういいのでは、と思って いた。教室全体に蠢く悪意の 塊の数々、そして教師への 反発、辻村深月が描く少年Aの 世代。「私を殺してくれない?」 に向けて邁進する狂気、 でも耐えられない、途中から そんな気がしていた。
2013/08/04
hiro
‘リア充’という言葉は『桐島、部活やめるってよ』で、‘中二病’という言葉をこの本で知った。「自分の世界で手一杯で、人のことが見えず、人の話を聞かない、考えることと人をバカにすることだけ一人前」の中二のアンが、同級生のショーグンJr.に自分を殺してほしいとオーダメイド殺人を依頼し、二人でその殺人計画を練っていく、森絵都さんの『カラフル』とは違うアプローチだが、同じようにまだカラフルな世界に気づいていない中学生を扱った作品だった。結局、計画を実行できず、ラストでアンのカラフルな未来が見れた結末は良かった。
2012/06/17
扉のこちら側
初読。誰かに選ばれたい、ここから逃げ出したい、許せない、痛々しい中学生の気持ち。川原の夜明けの描写、大学入学前という終わり方がよかった。
2012/11/25
とら
完全にツボを突かれた!笑 今まで読んできた辻村作品の中でも断トツ。もうね、不幸話大好きだって言ってるじゃないか!まあラストは清々しいんだけど、それも好感を持てる。辻村さん完璧な采配だ。今は無き「ベストセラーBOOK TV」で直木賞候補として挙がってるのを見て、何か他の候補作とは雰囲気違うよなあ、と思ったのを覚えてる。実際読みやすいし命を扱ってるとはいえちょっと軽めの作品なので確かにそうだった。”自分たちがそのパイオニアになるのだ”って所で、やっぱり考えはちゃんとあるんだなあと改めて感じた。続く→
2013/08/23
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