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放蕩記

放蕩記

放蕩記

作家
村山由佳
出版社
集英社
発売日
2011-11-25
ISBN
9784087714227
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放蕩記 / 感想・レビュー

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風眠

半自伝的小説となっていたが、おそらくは実際に経験したことであろうと思う。いわゆる「毒母」と呼ばれる母親との関係は、虐待とまではいかなくても、かなり苦しいものだろうと思う。人から見ればなんてことないでしょという感じかもしれない。言葉で説明しても、その芯の部分は理解されないだろう。逆にあんたがおかしいと思われてしまうこともあるだろう。たった一人で大人になってきた娘の苦しみはたぶん、経験した人にしか分からない。目には見えない壮絶さを孕んだ母と娘の物語。

2012/07/17

美紀ちゃん

母娘の部分での共感、男女の感情での共感、最初から最後まで、興味深く、ゆっくり読みました。私も大学生の時に、門限10時で、それにまつわる話がたくさんあるけど、夏帆ほど窮屈な家庭ではなく、うちは父の方が厳しくて、母はいつも見方をしてくれました。そんな事を思い出したり、恋愛感情の持ち方で、自分を客観視することもできたかも。村山由佳さんの作品は大体読んだけど、ルーツが見えました。次の「ダンス・ウィズ・ドラゴン」も楽しみです。

2012/06/15

くりきんとん99

久しぶりの村山由佳。帯に半自伝的小説ってあるけど、随分思い切ったところまで書かれている。このお母さん、嫌いじゃないけど、ここまで書くってことは相当な軋轢があったんだろうと思わされた。終章の、夏帆の父や兄が夏帆に向けて話した内容が良かった。そしてラストの夏帆が母に向けてかけた言葉に感涙。

2012/02/18

じいじ

 母と娘の物語です。しかも、村山由佳の自伝小説とのこと。母親への愛情を心の隅に抱きながら、恐怖と葛藤を赤裸々に晒した著者の勇気には共感・感動しました。この母親が、私の亡き母にあまりにも重なり幾度も読み止まった。私は主人公・夏帆ほど我慢強くなかったのでよく衝突したが、夏帆の心の痛み辛さはひしひしと伝わってきた。小説(特に恋愛モノ)を読んでいいて、その何割かは作家の想像の世界を紡いだものと思っているが、本作は著者の実体験からの言葉でないかと思えてきた。村山由佳の真に迫った文章に、長編大作に圧倒させられました。

2016/07/05

なゆ

半自伝的な話なんですね。なんだか…身につまされてしまって、途中で読めなくなりそうなくらいな生々しさ。今まで目をそらしてきたのに、こんな形で突き付けられるとは。ここまでではないにせよ似たような母娘関係なので、読むのはイタすぎた…。夏帆の最後の言葉、やっと言えるようになったその言葉がすごく重い。これだけのモノが書けるようになったというのは、解放されつつあるという事なのでしょうね。良くも悪くも、ここまで心乱された小説は初めてです。

2012/01/21

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