おれたちの青空
おれたちの青空 / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
シリーズ2作目です。今作は前作からの流れは当然、引き継いでいるものの、3話からなる連作集の装いになっています。1話目が主人公「陽介」の親友「卓也」の生い立ちやこれまでのシリアスな過去が明かされ、2話目は最強のサムライおばさん「恵子」さんの過去もより鮮明に語られ、3話目は中学を終えた子供たちの旅立ちを涙なしには読めない仕上がりで書かれています。「卓也」の不器用な優しさがほっこりとココロにしみ、「恵子」おばさんの芯の強さの原点が書かれており、他の子供たちのたくましさや心の豊かさが、素晴らしく涙腺を破壊します。
2015/08/26
あつひめ
シリーズ第2弾。家庭の事情で家族と暮らすことができない子供たちは現実でもどんどん増えていると思う。陽介のような暮らしたいけどそうわいかない場合と、親からの暴力によるものと。どちらも子供には責任はないのに、将来の選択肢が狭まってしまったり。子供がこの世で生きるには、たくさんの人の世話になっているんだなと、あらためて気付いた。家庭の中だけで育ってる訳じゃない。子供たちは、それぞれの未来を考えながら巣だっていく。子供たちに与えられた可能性は平等なんだよね。恵子は、それを自然と教えようとしていたのかもしれない。
2013/08/23
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
★★★☆スピンオフ2篇と、表題の連作短編(と、言いたい)。シリーズの核はやはり「陽介」中学三年生、受験を迎えた陽介と、父が横領し愛人に貢いだ金の返済のため離れて暮らす母が出した、懲役を終え戻る父への一つの答え。★陽介以外のキャラクターのエピソードを描く事で、中弛み感を若干感じる
2015/08/01
itoko♪
【2015ナツイチ】『おれのおばさん』シリーズ2作目。前作の主人公陽介と同い年 卓也の生い立ちの章、恵子おばさんの章、そして表題『おれたちの青空』の三部構成。卓也の章が良かった。「強くなりたくて強くなったわけじゃない。強くならなくても生きていけるなら、それがいいに決まっている。」強くならざるをえなかった彼らの今後をこれからも追いかけていこうと思う。
2015/07/29
ぶんこ
シリーズ2巻目で、卓也君の誕生の経緯から、特別養子縁組での父の死と母からの虐待。中学生の施設に小学5年での入所でしたが、幸せになっていくのが読んでいても嬉しかったです。そして恵子おばさん目線でのお話では、波乱万丈の人生を逃げずに立ち向かってました。陽介君目線に戻り、私立高校を選んだのが、マイナス要因をふまえた上でのプラス志向なのに驚くとともに応援したくなりました。中学生ばかり14人をたった一人で世話をするのは、恵子おばさん以外には絶対出来ないとの陽介君の意見に共感。
2016/01/23
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