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朱鳥の陵

朱鳥の陵

朱鳥の陵

作家
坂東眞砂子
出版社
集英社
発売日
2012-03-26
ISBN
9784087714395
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朱鳥の陵 / 感想・レビュー

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tama

図書館本 坂東作品5冊目 大化の改新から平城京が出来る頃を背景にした「連続毒殺事件の超能力推理モノ」。教科書に出る名前がゴロゴロしてるが肝心な辺りは「生きてるときの名前」なので調べないと判らない。更に名詞のルビが全部古語なのでそれを読んでるとなかなか進まない。途中で気がつき、今風に漢字の音読みに変えたら普通のテンポで読めた。お試しを。非常に面白く、しかもラスト近くの展開は「ど」ショッキング。男のそれとは別種の「女の欲」の怖さがメインテーマでありましょうか。

2014/06/05

翔亀

恐ろしや。持統天皇の詠んだ「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてう天の香久山」とは、この小説のヒロイン白妙の生き皮を剥いで香久山の木に引っ掛けて晒しものにしてやる、という意味だったとは!!! 惜しい作家を亡くしたとつくづく思う。書紀に登場の人物を自在に活躍させ(片手に系図は必須)、現代語に古語ルビを振る独特の文体で、緻密に再現された白鴎の世界に、女帝持統の恐ろしい女の情念がリアルに描かれる。天武を大津を草壁を高市を殺した女としての持統は、絶対に好きになりたくないが、つい惹きつけられてしまう作家の企み■92

2014/06/07

Norico

漢字の読み方も難しいし、家系や役職や細かい説明なんかはなくても、すぐ物語の世界に引き込まれます。夢を解く力のある白妙が讃良の記憶に引きずり込まれる感じがリアルで。梨木さんの丹生都比売の読メの感想でこちらの本を知って読んだのですが、どちらの持統天皇も恐ろしい、激しい人だった。特にこれは最後が…。あの歌にそんな意味が込められてたら……

2014/12/21

みっちゃん

装丁が美しい。振り仮名が多くて読みやすく、話も実に面白かった。讃良皇女(持統天皇)が怖い!有名な「春過ぎて夏来たるらし白妙の衣干したり天の香具山」の歌の別解釈。ずっと昔に読んだ清原夏野の漫画や、梅棹氏の「隠された十字架」を思い出した。

2015/01/29

りー

常陸香島の宮で夢解きをしていた白妙は、御名部皇女の夢を解いてほしいとの依頼を受け、藤原京へやって来る。そして、皇女の依頼で夢の中に入ったはずが、いつしか持統天皇の夢の中へと引きずり込まれてしまうことになる。持統天皇の隠された真実の心には、即位にまつわる恐ろしい秘密が沢山あった。白妙の視線を通して見る讃良の心の闇がとろとろと読者の方まで迫ってくるよう。そんなこともあったかもしれないと素直に思う。以前読んだ時は、最後の恐ろしさだけが印象に残ったが、今回は細部の描写を楽しみながら謎を追うことができた。

2023/01/08

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