もらい泣き
もらい泣き / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
集英社さんの『ナツイチ』作品です。タイトルどおり、ホロリと涙するステキな短編集でした。あとがきにもありますが作者さんが『「実話」で「泣ける話」を「原稿用紙5枚半」』で仕上げるという離れ業を見事に成し遂げています。やはり扱われるテーマが『家族』や『信頼』、そして『恋愛』が多く、あらゆる角度でジンワリとさせてくれます。反面、『病気』や『死別』、また『動物』ネタなどココロが痛くなる話もありました。執筆連載中に「東日本大震災」が発生した時系列もあり、作風の変化にもリアリティを感じます。見事な『もらい泣き』でした。
2016/06/28
またおやぢ
自分の為に泣くのではなく、誰かの或いは何かの為に「もらい泣き」ができる人間は幸せである。目の前にいる人々、或いは、ある物事に対して興味を持ち、共感し、心が揺さぶられ涙を流す。その人や事との関わりが有るからこそ起こり得る感情…それはきっと、今を生きている事の証であり、他者の為にも生きたいとの願望でもあるのだろう。「人は生きている限り常に感動している──せめてそのことを本当に理解できるまでは、この世に生きていたい、とつくづく思う。」つくづくそう思う。
2014/04/04
いつでも母さん
『もらい泣き』・・まではいかなかったが、ぐっとくる話はあった。ホッコリ・じーんと沁みてくる実話込みの短編集。あとがきに有るように、私も冲方丁の『良心』に心の澱がゆっくりと洗われた気がした。
2015/04/08
文庫フリーク@灯れ松明の火
未読の方に、ぜひおすすめしたい実話短編集。私の拙い感想では伝え切れない為、一話まるごと書き込みしてみます。丸写しの為、ナイスは遠慮させて下さい。【先にいきます】人が大勢すれ違う場所というのは、トラブルの坩堝だ。先日、友人の結婚式で久々に級友と語らい、そのうちの一人が、人混みとの格闘の日々を語ってくれた。「とにかく人は、人とぶつかるようにできてんのね」そう口にしたのは地下鉄の駅員として働く、私の友人である。勤続はや十五年。乗客数が極端に多い駅ばかり担当しているという。「酔っ払いに窃盗に、痴漢、喧嘩、→続
2013/07/05
とら
「もらい泣き」は残念ながら出来ませんでした… ついでに言えば読みきることも。端的に言えば、飽きました。10篇くらい読んだところでどうしても我慢できなくなった。本当にごめんなさい冲方さん…マルドゥックシリーズや時代小説はめちゃくちゃ好きなのですよ!多分一番面白かった話は?と聞かれれば、迷わずに”まえがき”と答えると思う。5頁じゃあキツいさ。まえがきには丁度良い長さかもしれない笑 それと、5頁ならばもういっそ全てをエッセイにすれば良かったのでは?とも思った。中途半端ではないかと。次はSFの短編集を読みます。
2013/12/02
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