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北斗 ある殺人者の回心

北斗 ある殺人者の回心

北斗 ある殺人者の回心

作家
石田衣良
出版社
集英社
発売日
2012-10-26
ISBN
9784087714647
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北斗 ある殺人者の回心 / 感想・レビュー

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風眠

愛を知ってしまったから人を殺した。こんなに哀しいことってあるだろうか。法律は起こった事実でしか人を裁けない、けれど、善悪だけでは推し量れない心はどこへゆけばいいのか。生まれた時から激しい虐待を受け続け、里親に救われ落ち着いたとたん、詐欺によって将来を奪われ、復讐のための殺人に至る。その過程を語った法廷の場面では、回り回って心を取り戻していく北斗の姿が胸に刺さる。自分の死と隣り合わせに生きてきた北斗、そして死に至らしめてしまった人を想いながら生きていく北斗、愛ゆえに罪を犯した人、被害者であり加害者である人。

2013/03/28

そのぼん

予想以上に重い内容でした。タイトルに『ある殺人者の回心』とあるので、ホラーさながらの展開になるのかと思って読み始めましたが、虐待をされて育った青年が殺人を犯して裁判を受ける過程が淡々と描かれていました。主人公の人生がどんどん悪い方向へ向かっていって、読み進めていくのが辛かったです。まっとうな人生を歩んで欲しかった・・・。残念でなりません。

2013/02/04

ゆみねこ

両親による凄まじい虐待を受けて育った端爪北斗。彼が初めて心から信頼し愛する存在の里親綾子を失ったとき、心に抱いた復讐の念。彼の犯した罪は許されるものではありませんが、これは読み応えあり。いい本でした。虐待のシーンは生々しく読むのが辛くなるほどでしたが。遺伝子上の母親、あなたが一番悪い!子供を連れて貧しくても愛情豊かに育てられるのでは?

2015/06/30

まこみん

序盤から、読んでいて辛くて堪らなかった。主人公の北斗が幼い頃から両親から絶えず受け続ける限りない虐待、その時北斗が感じる事が事細かに描かれていて、酷い両親に憤ってしまう。親に抱き締められた記憶がなく、自動販売機の発する温もりに友達と感じるなんて。北斗が高一の時、家を離れ里親の綾子との暮らしが初めての安らぎ。初めての親の愛情。なのに過酷な運命は綾子を死の病魔が襲い、綾子を救いたい一心の北斗は波洞水詐欺に巻き込まれる。後半は裁判。愛情の形とは。裁判での北斗の最後の意見陳述に胸が熱くなった。

2017/01/29

mmts(マミタス)

かなり前に読んだままレビューは放置した状態だったので、ほとんどはうろ覚えかもしれません。ごめんなさい。そもそも、石田衣良さんの作風にしては珍しいタイプだと思いました。こういう少年犯罪などの問題提起は、むしろ重松清さんとかが得意分野だと思い込んでました。あくまでフィクションですが虐待で苦しむ子どもが減ることを望むしかありません。里親もまだまだ世間には浸透してませんし。とても一言では語り尽くせないものだと思いました。ありきたりですが場合によっては「生きた償い」もありかもしれませんねぇ。

2016/08/10

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