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別れの挨拶

別れの挨拶

別れの挨拶

作家
丸谷才一
出版社
集英社
発売日
2013-10-04
ISBN
9784087715279
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別れの挨拶 / 感想・レビュー

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ケイ

とても頭がよく、本当に文学が好きでよく勉強されていると感服。自分の知識の浅さのために理解しきれない所が多々あり。難解な批評に混じり、新宿鮫が手放しで誉められている。鹿島茂の「セーラー服とエッフェル塔」は読みたくなった。小澤征爾と村上春樹の対談には、彼らへの愛が溢れていて、春樹氏が『文学案内』で丸谷氏について書いたことへの感想をたずねたくなった。小林秀雄には辛口だ。『太陽の季節』がどう日本文学を変えたと言うのかさらに知りたいところ。最終章の「挨拶文」、本当に唸るほどうまい。

2014/02/12

KAZOO

最後のあいさつという題名からエッセイを予想したのですが、文芸批評を中心にした書評集でした。ほかのメディアで読んだものもあるのですが1冊にまとまって読んでみるとまた丸谷さん独特の考え方などがよくわかる気がしました。音楽や絵画などにも興味を記された痕跡がよくわかります。

2014/12/17

どんぐり

絶筆は、桐朋学園音楽家60周年記念コンサート・祝賀会での挨拶「わが青春の一ページ」。このあいさつ文の草稿を書きあげた直後、丸谷さんは不整脈で倒れた。2012年10月のことである。本書は丸谷さんの死後に編集刊行される最後の文集である。文藝時評がほとんどを占め、最後にスピーチ用の草稿が収録されている。自身50パーセントが小説家で50パーセントが批評家だというが、100%小説家に専心して、文学作品をもっと遺してほしかったな。享年87歳、本を前に合掌。

2014/10/28

たびねこ

取り上げているのは、一時代前のいわゆる文豪・大御所たちの営みですが、かと言って古びた感じはしない。そのへんの雑文家の語り口と違って隙がなくしっかり組み立てられた文章とレトリックは新鮮にさえ感じる。繰り出される知の素材もズッシリ重く深い。ページをめくる手が止まったのは、「末期の眼と歩哨の眼」、吉行淳之介を評した「好色と退屈」、谷崎潤一郎の「猫と庄造と二人のをんな」あたり。

2014/04/13

モモのすけ

「わたしの言ふ歴史的仮名づかひとは、大和ことば(本来の日本語)の表記を本来の表記のままでおこなふことである。このほうが論理的で、頭にはいりやすい」「動詞アフグ(扇ぐ)がアオグになり、名詞アフギがオウギになつたとき、アフグ、アフギの関係は不明になり、日本語はそれだけぼんやりした構造、乱雑な仕組に変つたのである」

2014/12/30

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