信長 暁の魔王
信長 暁の魔王 / 感想・レビュー
巨峰
若き日の信長を主人公に、彼と母・弟を始めとした一族の内輪揉めを描く。先行作が数多ある素材なので新しさを出すのも難しいと思うのですが、信長の親族というテーマをうまく絞って表現されていたのではと思います。信長のすぐ上の兄にあたる英俊という人物がなかなか興味深かった。あっさりとした退場は残念ですが・・・
2016/05/29
そうたそ
★★★☆☆ 信長ものは割と書きつくされた感があるが、こうしてみるとまだまだ題材は残っているのだなと思う。実母が発した自分に対する「今すぐ殺せ」という記憶をずっと持っていた信長。織田信長という人物がなぜあのような人格を持つに至ったのかを実母との関係という視点から繙く一冊。こういう視点から信長を描いた作品はなかっただけに興味深く読んだ。いつの時代も母親の在り方は子に影響を与えるもんだよねえとつくづく。母の異常な愛情を受けて育つ弟信行との対比。現代にもありがちな環境だよなあ。
2017/06/22
ASnowyHeron
親子関係に着目しているところが、斬新な信長像だった。少年犯罪に関する作品を最近読んでいたのだが、戦国時代でも現在でも母親の愛情によって人は大きく変わるのだろうか。
2017/01/06
出世八五郎
確か、坂口安吾の中短編「信長」が尾張統一を主軸に桶狭間までを描いた信長モノだった。本書も同じ時期を描いている。安吾のそれは忘れたが、本書は生れ落ちた時から孤独であり続けた人間信長を描いている。毎回思うのだが、信長こそ思考に支配されず、思考を道具として使った人間に思える。といいつつ、大成した人物は皆そうなのだろうが、リアリズムに徹したというか、そこに捨身こそ道が切り開ける要素があるんじゃないかと思われる。レビューで“面白かったです♪”と書くのはつまらないことだが、久しぶりの歴史小説な所為か非常に良かった。
2016/12/12
007
★★★★☆ タイトルと表紙が厳めしくてついつい読むのを後回しにしてしまったけれど、面白かった。信長のあの性格はそこから生じたのかと妙に納得。疎まれても謀られてもやっぱり母親は特別な存在だったようだ。信長の人間くさい一面を見ることができた。
2014/02/07
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