鼻に挟み撃ち 他三編
鼻に挟み撃ち 他三編 / 感想・レビュー
hiro
あのせいこうさんが震災をテーマとした小説を書いたという新聞の書評をみて、その後芥川賞候補となった『想像ラジオ』と、せいこうさんが6ヶ国の作家に扮して書いた『存在しない小説』を読み、せいこうさんの多彩な才能に驚かされた。そして今回も芥川賞候補となった作品を含めた短編集いうことで期待して読んだが、表題作は皆さんがレビューで書いておられるように、ゴーゴリーの『鼻』と後藤明生の『挟み撃ち』と読まないと理解できないかもしれない。芥川賞受賞作や候補作には、読者に読解力を要求する作品があるが、まさにそんな作品だった。
2014/07/07
ちゃんみー
すげーっよ、ぜーんぜん理解できねーよ。文字を目で追うものの内容が頭に入ってこないというのは私のいたらなさですか? 表題作のにでてくる"鼻"は確かにカフカの変身を思い出させてくれるし、まあ面白いといえば面白いのかも。 いとうせいこうさんって昔はよくテレビで見かけてた人ですよね。作家さんだったとは。
2014/05/28
いたろう
ゴーゴリ「鼻」、後藤明生「挟み撃ち」を題材に独自の世界が展開する表題作。現実と想像(妄想)の融合にコミカルなテイストが加えられた構造は「想像ラジオ」と同じ。第2章で私小説風に挿入される作者が過去にパニック障害になった時のリアルな体験談も、「想像ラジオ」の第2章で、急に現実的な議論が交わされたのに重なる。「鼻」「挟み撃ち」という小説世界が現実世界に入り込んで、徐々にリアルをシュールに変えていく感覚が妙に心地よい。
2014/06/08
sora
鼻に挟み撃ちが表題になっていたけれど、一番読みやすかったのは「今井さん」かなぁ。 でも、気合を入れて読まないと読み切れない話ばかりでした。
2014/05/24
そうたそ
★☆☆☆☆ 「想像ラジオ」のようなとっつきやすさを思い浮かべて読むと、戸惑わざるを得ないのではないかと思う。どの作品にも小難しいという印象を持つと同時に、いとうせいこうらしさも感じられた。表題作はゴーゴリや後藤明生の作品に関する知識がある程度なければ楽しめないのではないだろうか。個人的にはゴーゴリも後藤明生も読んだことがないし、後藤明生に至っては名前すらも知らなかった。他の三編についても、終始訳の分からないとっつきにくさがあり、とにかく最初から最後まで読むのに苦労したという苦い思いだけが残った。
2014/05/31
感想・レビューをもっと見る