眠る魚
眠る魚 / 感想・レビュー
すこにゃん
舌癌で逝去された著者が最期の力で臨み、半ばで力つきた未完の絶筆作品です。海外生活を経て最期を故郷で迎えた筆者は故郷を母の子宮に重ねる一方で、命に対する強い執着を滲み出しています。福島第一原発事故後の放射線汚染に対する過剰なまでの危機感は、発癌して余命を宣告された己の悲しみや怒りを表現したのだと感じました。無意識に被爆してゆく人々の姿を、夜間に光に照らされても動かぬ眠る魚に例えたのでしょうか。他の作品も読まねば。
2014/11/23
ちゃとら
選んだ本が違ってました🙇♀️ナイスしてくださった方、疲れていたいとはいえ失礼しました。 坂東眞砂子さん。バヌアツで3、11を知るところから始まる。 ホラーとは違う怖さがあり、55 歳で亡くなった著者の絶筆作品だった。本書の中の主人公も同じ病になり、病院生活も妙にリアルに描かれていた。この先で描きたいことがあったのだろうと思えた終わり方だった。
2020/02/20
らむり
謎の風土病や奇形植物。東日本大震災での原発事故による女性主人公の被害妄想がすごい。ラストはちょっと残念だけど、十分引き込まれるお話でした。
2014/06/21
Yuna Ioki☆
616-225-12 坂東眞砂子作品初読み。絶筆の上に途中で終了しているので中途半端なのは仕方がない。自分の体験を書こうとしたのかなあ。
2014/07/15
キムチ
旅路にて借り、一気読み。微かにに筆者の夭逝が脳裏にあったとはいえ、当作品が絶筆とは知らなかった。そのせいか筆者の心象が我が身にオーバーラップし、読み易かったように思える。私も南米の異国にあり、ヒロインも事実婚の若い男性に逃げられ、因習の立ち込める日本で思いがけぬ父の遺書の内容に振り回される。得体の知れぬ風土病?に取りつかれ、病の身になり、行く末に灰色の空気が立ち込めて行くところで終わる。「慣性の法」に縛られる日本のあり様にかなり囚われる展開だが人が住む所には何処もあるように思われ、その辺は今一、共感できず
2014/06/13
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