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アポロンの嘲笑

アポロンの嘲笑

アポロンの嘲笑

作家
中山七里
出版社
集英社
発売日
2014-09-05
ISBN
9784087715750
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アポロンの嘲笑 / 感想・レビュー

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takaC

超シリアスシニカルストーリー。しっかり読むには傍らに福島県地図が必要だ。実際にあの時こんな事件があったとしてもきっとこんな風に闇に葬り去られているんだろうね。しかし、母が宏美で娘が裕未という設定は良くないぞ。読みにくいじゃないか。

2015/12/21

Miyoshi Hirotaka

歴史的大事件は文学になる。「氷点」の洞爺丸事故、「銀河鉄道の夜」のタイタニック号沈没。いずれも作品の主題を際立たせる重要なシーンになっている。しかし、事件が文学になるには、卓越した筆力に加え、事件の意味が熟成する時間が必要だ。東北大震災を扱った小説としては一番乗りかもしれない。『GODZILLA ゴジラ』ほど荒唐無稽ではないが、てんこ盛りの設定が不自然。事実は小説より奇なり。「奇なり」が記憶されているうちは小説になりにくいのかもしれない。大惨事を永く伝えるためにも様々な作者が挑戦し、名作を生んで欲しい。

2016/03/14

ダイ@2019.11.2~一時休止

震災の余震で正当防衛とも思える被疑者が逃亡した理由とは?。わかりやすい伏線があって、中山さんにしてはどんでん返しもなくオチに予想がつく。サスペンスとしては楽しめた。

2014/09/19

NADIA

3.11の記憶、原発メルトダウンの恐怖の想い・・・当時は本当に心配で夜も眠れなくなるほどだった。数年後、のど元過ぎれば何とやらで、被災地から離れた(と言っても千葉県も被災地だったりするが)私にとっては「あの時は大変だったよね」で語るレベルになってしまっている。いや、本当の放射能の怖さから目を逸らしているだけなんだと気付かされた一冊。少し前に読んだ作品も阪神大震災と東日本大震災が書かれていたが、同じ作者と思えないくらい重さが違う。神の領域に踏み込んだ人間の愚かさに息苦しさを覚える。タイトルの意味が重い。

2017/05/30

あすなろ

まずは東日本大震災と昨日読書中に20年を迎えた阪神淡路大震災で犠牲になった方々に追悼の意を申し上げます。本作は、多くの現代社会の脅威プロットと二つの大震災の描写が上手く織り込まれ、小説として完成している。しかし、こうとも思う。中山氏が描きたかったのは、格差社会と原発ではないか?原発事故だけでなく、原発では誰が働いていたか?危険に見て見ぬ振りを地震に関係なくしていたのではないか?これも大きなテーマ。例えば過去に原発推進し、原発反対を今唱える人気のあった元首相はこの作品の描く世界から原発を見たことがあるのか?

2015/01/18

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