Masato
Masato / 感想・レビュー
starbro
岩城けい、『さようなら、オレンジ』に続いて二冊目です。父親の仕事の関係で海外に住むことになってしまった難しい年頃ローティーンの男の子Masatoを瑞々しい感性で描いています。素晴らしい!私自身が極めてドメスティックな人間で帰国子女に憬れがありますが、彼らなりに(本作のように)難しい問題はあるんでしょうね!バイリンガルの人はある意味で二重人格かも知れません。
2015/09/19
takaC
安藤家と同じような境遇で生活を営んだ経験のある自分が思うには、お父さんがダメ男だろう。家族かわいそう。
2017/12/14
紫 綺
父親の仕事の関係で、オーストラリアに住むことになった小5の真人。日本人学校ではなく、現地の学校に編入したことにより、様々な困難がつきまとう。まさと、ではなくマットと呼ばれ、自己の存在を確固たるものにできないもどかしさがある。そんな苦悩の中でも少しずつ成長し、対応して自分なりの答えを見出す。
2016/04/17
なゆ
父親の仕事の都合で家族でオーストラリアに引っ越して、日本人学校ではなく地元の小学校に通いだした真人くんの話。言葉もわからないし、マサァトゥなんて呼ばれるのに馴染めないし、意地悪なヤツは容赦なくからかってくるけど、少しずつ自分の居場所を見つけていく。馴染んでいく真人に反比例するように、日本に帰りたくて仕方なくなってゆくお母さんが切ない。真人が自力で行動に移す所には拍手。意外な人に認めてもらえてたところがいいね。多少うまくいきすぎな感じはあるけど、ひたすら見守る気持ちで読んだ。よかったね!と清々しい読後感。
2015/09/25
barabara
よかった…!衝撃だった太宰治賞の前作も素晴らしかったけど、状況が独特な分、入り込みにくさもあった。今回は日本にどっぷりつかっている日本人、そして異国で暮らしたことのある日本人なら誰しもギュッと胸を掴まれる切なさがあちらこちらに散りばめられている。入り込んだ〜!お母さんの気持ちもわかる、辛い!旅行じゃないもん、生活だもんね。でも異端扱いされていたmasatoが少しずつ心許せる友達や環境に浸っていく素晴らしさ、これが一番の見せ場だった。自分の進路を勇気出して決断した心意気にエールを送りたい。
2015/10/05
感想・レビューをもっと見る