希望の海 仙河海叙景
希望の海 仙河海叙景 / 感想・レビュー
みかん🍊
仙河海市シリーズ、前回登場していた希を軸に震災前のそれぞれの何気ない日常の短編集、そして彼らの震災後の日々が描かれている。「ラッツォクの灯」は震災で家族を亡くした少年の未来が見えない日々に涙しました、少しは前を向いて行こうとする人々だが、すぐに日常が戻る訳ではない、家や家族を亡くし未来が見えない、あの時こうしていればと自分を責める日々、たとえ一歩ずつでも前へ進める事を願う。
2016/04/04
ゆみねこ
あの日を迎える前の仙河海の情景7編、あの日のあとを描いた2編。2年後の「ラッツォクの灯」で泣きました。走ることで再生してゆく早坂希にエールを送りたくなりました。
2016/07/01
ぶんこ
震災前のそれぞれの日々を描いた7編と、震災後半年の2編。震災前の物語を読んでいると、つくづく普通の日々の有り難さを痛感する。親の離婚、いじめ、リストラ、片思いと悩みもそれぞれで、それでも日常は続くと思っているもの。虐められていた子がどうなったのかだけが書かれてなかったのが気になります。
2016/06/07
ちゃんみー
このタイトルと熊谷達也さんの組み合わせなら、きっと東日本大震災の頃の仙台周辺が舞台になっていることは予想ができました。連作の短編。「ラッツォクの灯」は泣けてきたね。文学っぽさはない本だけど淡々と読ませてくれます。
2017/01/14
KEI
仙河海市に住む人々を描いた短編連作9作。前半7作は震災・津波の前のどこにでもある暮らし、後半2作は震災後の姿。きっとこの様な人々の日常があったのだろう。そしてそれが突然失われる姿は東日本大震災の惨さを感じる。特に「ラッツォクの灯」には思わず泣かされた。「リアスのランナー」「希望のランナー」の早坂希が絶望の淵から再び走り出すラストに「希望」が見えた。気仙沼で教師だった著者だからこそ書ける物語だと思った。ここで暮らす人々が一日も早く平凡な日々を暮らせる様になる事を祈りたい。お薦め本。
2019/04/03
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