カム・ギャザー・ラウンド・ピープル
カム・ギャザー・ラウンド・ピープル / 感想・レビュー
こーた
余白に意識が向く。ぽつんと対象だけが中心に在って、それ以外は真っ白な空間がどこまでも広がっている。あるいは真っ暗な闇だ。いずれにせよ背景には一切の物がなくて、ただがらんどうの空間に役者のみが点在しそこで何か演じている、そんな印象がある。終盤、種明かしがある。渋谷から原宿へ向かって描かれる街並みは、これでもかというほどあざやかで騒々しく具体的だ。背景は突如暴力的な明るさと色彩を帯びて主人公をのみ込みにかかる。言えないことの言いたくなさを、書かないで描く。あるいは最後の種明かしは不要だったかもしれない。
2020/01/05
starbro
第161回芥川賞受賞作・候補作シリーズ、2作目(2/5)です。第160回芥川賞候補作『居た場所』に続いて高山 羽根子、2作目です。芥川賞候補作らしい作品ですが、やはりインパクトに欠けるので、受賞にはならなかったのではないでしょうか?
2019/08/09
ナイスネイチャ
図書館本。過去の嫌な思い出を切り取った写真の様に表現して、繋ぎ合わせてました。「時代は変わる」ボブ・ディランを聴きたくなった。
2019/08/31
mariya926
読んで二日後にレビューを書こうとしたら何も思い浮かばない···。読みやすいけど、何か強く残ったわけではなく、なぜかおばあちゃんの背中だけを覚えています。こんなレビューになってしまって申し訳ないです。純文学というのかな?は、まだ私には難解というか、読めなくはないけど深く捉えられないです。
2024/03/25
ででんでん
文章はとても好き。ただ、さらさらと綴られる回想が、私の表面をさらさらと撫でていくだけのようで、とらえどころなく読み終えてしまった。読了後、改めてbuchipandaさんやみっちゃんのレビューを拝見して、もう一度最後のページに立ち返ると、ようやくじわじわと届いてくるものがあった。自分の感性の鈍さと読解力のなさを再認識・・・
2020/04/03
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