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透明な夜の香り

透明な夜の香り

透明な夜の香り

作家
千早茜
出版社
集英社
発売日
2020-04-03
ISBN
9784087717037
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透明な夜の香り / 感想・レビュー

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starbro

新型コロナウィルス対策購入シリーズ第50弾(遂に50まで来ましたが、もう少し続きます)、千早 茜は、新作中心に読んでいる作家です。天才調香師の連作短編集、美しく馨しく怖ろしい物語でした。香りだけでここまで推理出来ると、調香師探偵も成立しそうです。

2020/05/18

さてさて

私達が日々生きる中では、その瞬間の無意識な呼吸活動の中で、無限と言ってもいいほどの匂いや香りと接することが避けられません。そんな匂いや香りと共に仕舞われる記憶達。そして、『そのひきだしとなる香りに再び出会う』時に仕舞われた記憶が蘇る、そんな様が描かれたこの作品。文字だけの単行本の中から、音が聞こえ、色が浮かび上がり、そしてさまざまな香りが漂ってくるのを感じたこの作品。千早さんの圧倒的な筆の力によって、本来感じないはずの聴覚と嗅覚が刺激されるという、なんとも不思議な体験をさせていただいた、そんな作品でした。

2021/12/27

パトラッシュ

香りから人の心が読めるので、知りたくもない嘘や隠し事が否応なくわかってしまう調香師の朔。そんな能力など他人には想像できない生きづらさの原因でしかないが、朔は心の歪みや苦しみを和らげる香りを創造することで他者も自分も救おうとする。家族の問題で心に傷を抱えた一香は、常識外れな行動を繰り返しながら様々な内なる闇を消していく朔を手伝ううちに、少しずつ自らも癒されていくのだ。リアルとファンタジーの境界線を行き来しながら嘘のない真実が見えてくる物語は、静かな迫力で読者を震わせる。生きるのに疲れた人にこそ薦めたい一冊。

2023/06/12

けんとまん1007

匂い・香り。静謐な世界の中で、ものがたりが紡がれていく。その中で、人は少しずつ変化し、やがて気づき、受け入れる。重要なファクターになっているのが、匂い・香り。つまり、臭覚。確かに、臭覚から得たもので、いろいろなことを思い出したり、思考が拡がることがある。五感の中でも、独特なものだろう。読みながら、頭の中に映像と香りが広がった。

2021/01/16

うっちー

私は鼻が悪いので臭いに鈍です。敏感過ぎるのも大変かと

2020/09/21

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