KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

るん(笑)

るん(笑)

るん(笑)

作家
酉島伝法
出版社
集英社
発売日
2020-11-26
ISBN
9784087717303
amazonで購入する

るん(笑) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

みっちゃん

この一見陽気なタイトル。が「酉島伝法が初めて人間を主人公にした作品集」はとんでもないディストピアの世界だった。「三十八度までは平熱」科学技術や医学は忌まわしきもの、と忌避されて、世の中に蔓延するのはまじないと迷信、そして忌み言葉を変換して美辞麗句で飾られた「善意」に満ちた精神主義。作者独特の変換漢字造語がこんなに恐ろしく感じられるとは。でももしかしたら…今のこの世界の情勢がさらに悪化して、医療が崩壊の危険に晒されたら…こんな世界に変容していく可能性もあるのでは…と鳥肌。

2021/01/25

美紀ちゃん

ん?龍?撒餌? マンションの壁の崩壊? 思考盗聴? 何の話? ほくろの星座占い? ツッコミどころ満載。驚く不思議世界。 発想がすごいと思ったら、SF大賞を受賞した人。 3つの連作短編集。 主人公が38度の熱があるせいか? モヤぁっとしている感じだが、 慣れると面白い。 どういうこと?って思う部分が挙げるとキリがないくらい多く、その微妙な世界観がこの本の面白いところ。 この作家天才かも。 注目したい。

2021/10/15

さおり

スピリチュアルと科学が逆転した世界で暮らす人々の、日々を描いた連作短編(中編?)集。忌み言葉を回避するために新しい言葉がどんどん登場するので、慣れるのに時間がかかりました。中程からやっとおもしろくなった感じ。私ももしものときは、るん(笑)をペットだと思ってかわいがることにします。

2021/08/23

olive

スピリチュアルと科学が逆転した三編からなる連作短編集です。科学的なことは否定し、血液型や星座占いを信じる世界。三十八度が平熱になっちゃった世界に耐えられるのだろうか...熱が出ると10分おきに体温を測るわたしには無理だな。「るん(笑)」じゃなく、「すん(死)」だよ。そして会社終わりにお疲れさんを、「お憑れさん」とあいさつする世界。きっとディストピアな世界を描いたSF小説かな。タイトルは別にふざけてないからねー!るん(笑)が知りたければ読んでみてね♪

2022/11/26

そふぃあ

これまでの酉島伝法作品に比べて文章は格段に読み易いはずなのに、心のどこかに拒否感があって、今までのどの作品よりも不気味だった。自分の両親が昔スピリチュアルに傾倒していて大いに面倒を被ったこともあるし、押し付けがましさ、不快な理由はこれに尽きると思う。 38度が平熱に変更されたり、千羽鶴を一羽ずつ開いて、体調が悪いなか折ってくれた一人ひとりにお礼しなきゃいけないのもだいぶ怖いが、猫がいないというただ一点において最恐のディストピアだと言える。 ミカエルって何だったんだ。。

2020/12/17

感想・レビューをもっと見る