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我は、おばさん

我は、おばさん

我は、おばさん

作家
岡田育
出版社
集英社
発売日
2021-06-04
ISBN
9784087717471
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我は、おばさん / 感想・レビュー

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天の川

フランスでは「マダム」、アメリカでは「ミズ」・・・しかし、日本では「おばさん」という呼称が差別語に堕ちてしまっている。古今東西の文学作品や映画、漫画、実在の人物を取り上げ、数多くのおばさんのロールモデルを提示し、「おばさん」という呼称にかけられた呪いを解こうとするこの本、とても面白かった。社会の不条理を再確認するとともに尊厳を取り戻せる。岡田さん、この本を物するのにどれだけの文献にあたり、考察し、わかりやすい言葉で提示するのに心を砕いていることか!エッセイのようなタイトルだが、実に内容が濃いお勧めの一冊。

2021/10/24

ネギっ子gen

【年齢を重ねるにつれ、世界はもっと豊かに広がる】推薦!『更級日記』から『82年生まれ、キム・ジヨン』『夏物語』や『違国日記』に至るまで、文学・漫画・映画などを通し現代の「おばさん」像を再定義する。巻末で、ジェーン・スーとの対談。良き娘であるよう教え諭され育ってきた。しかし、<「おばさん」になる方法については、誰も教えてくれなかった。短いようで案外長い女の一生のうち、最も長く呼び掛けられるその称号について、見聞きし、読み解き、考える機会は、極めて限られていた。奪われていた、とさえ言えるのかもしれない>と。⇒

2023/01/12

shikashika555

読み始めから体温が上がる。 おばさんはおじさんと違い、愛される余地のない卑称だった。 若くない女である我々は、どこへ行けばいいのか。 どこを目指し何をすれば、男社会に支配されず 尊厳を損なわず自らを生かし社会と繋がれるのか。 そして、どうすれば後から来る妹たち娘たちが生きやすいように 道を拓いてやれるのか。手助けしてやれるのか。 著者も、同じ事を思ってるんだ。手を取って言葉を交わしたい。 私もおばさん、貴方もおばさん。同じ国からきたのよ。 卑屈になるでも尊大になるわけでもなく、おばさんであるのだ。

2021/10/25

「おばさん」これは日本語で一番難しい言葉なのかもしれない。ニュアンスによっては意図せず蔑称になってしまうので、知らず知らずのうちに使うのを避けていた言葉。著者は「おばさん」に対してポジティブに光を当てている。お母さんだけが子を育てるのではないのだ。

2022/09/10

kum

本来ニュートラルな一般名詞なのに良い意味で捉えられない「おばさん」という呼称。長きに渡るその時間を力強く肯定し、さらに後ろに続く世代にも勇気のバトンを渡したいという思いがつまったエッセイ。生き方も性別役割も均一的だったかつての時代とはもう違う。なのに時代錯誤的な考えや抑圧がはびこる世の中で、立場も血のつながりも越えて女性たちが連帯していくべきだという考えは本当にそうだなと思う。「ここはおばさんたちに任せな!」と下の世代の重荷を肩代わりして、下心のないアメちゃんを配る。なんてかっこいいおばさん像なんだろう。

2021/12/08

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