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オーラの発表会

オーラの発表会

オーラの発表会

作家
綿矢りさ
出版社
集英社
発売日
2021-08-26
ISBN
9784087717600
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オーラの発表会 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

主人公の海松子(名前からして変わっている)の一人称で語られてゆく物語。彼女は大学生になるまで、ほとんど他者とは深くかかわることなく過ごしてきた。孤独癖があるわけではない。彼女にとってはその必要がなく、自身では違和感も持ってこなかった。そんな彼女が両親の意思から大学進学を機に一人暮らしをはじめ、物語は徐々に動き出す。数少ない友人の萌音との絡みが面白い。奏樹と諏訪の二人の男性との関係も、海松子を変えてゆく起爆剤だ。全体としては、よくわかるような、わからないような小説なのだが、しいてテーマを求めるならば⇒

2024/01/26

starbro

綿矢りさは、新作中心に読んでいる作家です。著者のデビュー20周年記念作品は、大学生に戻ったような雰囲気のちょっと変わった青春譚でした。タイトルにこういう形で結びつくとは・・・ https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/auranohappyokai/

2021/10/06

さてさて

集団社会の中で生きていく他ない私達は、日々起きた瞬間から眠りにつくまで、数多くの人たちとの関係性に意を尽くして生きています。そんな社会に誰もが当たり前のように順応できるわけでもありません。また、ただ素直に順応していけば良いというわけでもないでしょう。この作品の主人公・海松子が見せてくれたひとつの生き方は生き辛い世の中を生きる私達に、ふと肩の力を抜くことを教えてくれました。「オーラの発表会」というこの作品。それは、人と共に生きていく人の中で生きていく私達の気持ちをふっと楽にさせてくれる、そんな物語でした。

2021/10/06

hiro

綿矢さんの作品は新刊が出れば必ず読んでいるが、今回も綿矢さんらしく主人公・海松子(みるこ)は女性だ。前半、趣味は凧揚げという大学生になった海松子の周りの人たちとの距離感にこれからの大学生活が心配になったが、高校時代からの友人“まね師”、海松子に好意を寄せる男性二人、そして両親との関係などが明らかになるにつれて、個性的であるが周りの人たちから愛されている海松子が見えてきて、男性作家には書けない綿矢さんだから書ける主人公の個性が光る作品だった。謎だった「オーラの発表会」は、結果的にはあの結末で良かったと思う。

2021/10/01

とろとろ

他人に興味が持てない大学生の主人公。友達はひとりだけ。幼馴染の同い年男子と男前の社会人からアプローチを受けていることすら気がつかない。主人公の目線で始まり、また章立てで人物が変わるのかと思っていたが、そのままだった。いや、これは……「コンビニ人間」以来の衝撃!。考えてみれば、世間が勝手に抱いている常識を、逆に全てひっくり返すような話になるのだろうか。そうして見ると、作者の考えはデビュー以来一貫していてブレがなく、読む側がいつも翻弄されてしまうのだ。疲れ切った頭をリフレッシュするのには丁度良い話だと思うな。

2021/12/06

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