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アフター・サイレンス

アフター・サイレンス

アフター・サイレンス

作家
本多孝好
出版社
集英社
発売日
2021-09-03
ISBN
9784087717648
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アフター・サイレンス / 感想・レビュー

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いつでも母さん

なかなかしんどい読書だった。加害者家族でもある高階唯子は警察専門のカウンセラーで、被害者やその家族のケアをする立場だが大学に籍を置く研究員なのだ。被害者家族の雅弘との関係に歪なものを感じて唯子に共感できずにいたが、最終話でなるほどねと腑に落ちた。「他に何ができたでしょう」は、ある被害者の父の言葉だが『大切な人が殺された時、あなたは何を望みますかー』の帯が哀しく苦しい。重いのだが人は弱くて強いを感じさせる連作5話。これはシリーズとしてもう少し読んでみたい。

2021/09/22

みっちゃん

『dele』に続いて、の本多作品。抑制の効いた文章から、登場人物の内面が細やかに感じられる筆致は相変わらずお見事。大切な家族を理不尽に喪ったひと達に深く共感し、寄り添いながらも、その感情に巻き込まれないように理解を深めていこうとする、主人公のカウンセラーがとても魅力的。徐々に明かされる彼女の過去には驚かされたが、その苦しみの中から、自身の未来を信じていこうとする姿に心打たれた。償いとは、そして赦しとは。考えさせられる。

2022/01/13

モルク

犯罪被害者に寄り添うカウンセラー、臨床心理士と公認心理士の資格を持つ高階唯子が主人公。唯子自身も父親が人を殺し服役中であり、加害者の娘という重荷をずっと背負っている。彼女のちょっと頑なな考え方に危うさを覚える。そして被害者の息子である雅弘との歪な関係、愛や労りというより依存を感じる。雅弘とのことがあって別れた刑事の仲上がいい人すぎる。そしていつの間にか本多さんの世界に浸っていた。

2022/06/21

machi☺︎︎゛

名前は知っていたけど初読み作家さん。カウンセラーの高階唯子は犯罪被害者のカウンセリングを仕事としている。でも読んでいてカウンセラーとして優秀なのかどうかは分からないけど、こんなに感情移入していて大丈夫なのかと心配になった。だけどそれが唯子のいいところでもあるのかな。と最後まで読んで思った。人が人をカウンセリングするのだからこの仕事の難しさがよく分かった。唯子の人との距離の取り方がすごく好きだった。

2021/12/02

紅はこべ

久しぶりの本多孝好だが、だいぶ印象が違う。唯子のカウンセリング、あまり成功しているとは思えないんだけど。元のタイトルの『沈黙を聞かせて』の方がよかった。

2022/09/25

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