狂風記 上
狂風記 上 / 感想・レビュー
しゅんしゅん
もうため息しか出ない。偉大な文学者のごった煮の集大成。歴史的仮名遣い、日本語で文学を綴ることがこんなにも美しいものだと見せつけるような文体。執筆10年の現代文学の記念碑的大作。頁を捲るのが勿体無く思えるが狂った風の如く手は動き眼球が躍る。霊と骨。古文書。血塗られた歴史を背負いながら現実を吹き飛ばすよう漲るエネルギイ。吹き荒れるアナーキーな風。埃っぽく土臭いのに、この文学の構造物の絢爛たるや。人間の歴史を濃縮して詰め込んだような土俗的な絵巻に巻かれて縛られたまま宇宙に放り込まれるような読書体験。下巻に続く。
2021/11/11
りんご
はてさて、今の世に石川淳を知る読者はどのくらいいるのだろう。この狂風記は僕が随分前に読んだ本で、ひさびさに読み返したもの。この旧字体の漢字に旧仮名遣い、風格を感じます。内容は、舞台は現代ですが、オシハノミコに纏わる伝奇物語
2023/11/11
がま
女主人公が長野主膳の子孫で、記紀歴史書の市辺押磐皇子の因縁が出てくるわ、死霊怨霊裸体が舞うわ、登場人物の思惑は交錯するわ、このごった煮感がスバラシイ。また、歴史的仮名遣いってとこも全篇に流れる妖しい雰囲気とマッチしている。
2013/11/10
もろろろ
台風のとき読んだから、「強風記」!強風→狂風。あ、でも台風も狂う風ではあるが…。
2011/09/03
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