狂風記 下
狂風記 下 / 感想・レビュー
しゅんしゅん
地上と地下、光と闇、現代と古代、全てを貫く壮大な物語。これは小説であり国語辞典でもある。歌舞伎、狂言、落語、幻想、SF、伝承が縦横無尽に配置され、善も悪もぶっ飛ばす神話的伽藍であり曼荼羅である。黒く渦巻く歴史や権謀術数を背景としながらも、喜劇を何よりも重んじる精神の潔さを基調とすることで死生が表裏一体の賛歌と成り得る最大限のバランス感覚を擁している。緻密な細道を潜り抜ける構成があるかと思えば、限りない想像力の飛躍跳躍暗躍で目にもの見せてくれる。孤高の存在は歴史を背負い尽くした上での軽やかなステップのよう。
2021/11/12
りんご
この狂乱はいったいなんだろう。この世とあの世。現在と過去の交錯。石川淳の世界観が荒れ狂う物語。この物語の意味するものは何だろう。。。
2023/11/23
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