極楽まくらおとし図
極楽まくらおとし図 / 感想・レビュー
あたびー
深澤七郎の本が読みたくて購入したものの、「まくらおとし」とは何なのか、想像もつかなかった。読んでみてハハァなるほどと思った(ネタバレになるから内緒)。年金暮らしのワシは、病弱な甥のリョーさんの息子に頼まれて手を貸しに行く。「闇」固有名詞が出てこず、全て土地名に「~の彼」で表される幻想的な雰囲気の作品。長崎の彼に会いにいくと親が嫌な顔をするのは何故なのか。秩父の彼に何が起こったのか。ラストで明らかになる。
2022/07/18
メタボン
☆☆☆☆文章は、省略や飛躍により意味がわかりずらいところが多く決して上手ではない。しかし日本の土着的な習俗、おぞましさ等を書かせたら深沢七郎の右に出る者はいないと思う。表題作は既読。楢山節考と同じく尊厳死がテーマ。学生運動のリンチ殺人を娘に腕を掴まれたときに想起させる「闇」友人の音楽会のために花札で稼ごうとして舞う(おけらになる)「花に舞う」交通事故や人の嫉妬心を「魔」と表現する「報酬」父が母をいたぶっている姿が無意識のうちにトラウマとなりマゾとなる「サド人との聖約」ゲコと酒飲みに関する考察「ゲコの酌」。
2020/09/28
佐伯りょう
枕の上に膝が…。リアルだが例の深沢節で語られているので、切々と胸に響く。尊厳死について、自分の親の場合、また自分の場合はどうするか、考えておかなければならない。
2011/03/27
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