能登怪異譚
能登怪異譚 / 感想・レビュー
あっきー
⭐4 どの話もヨーロッパの昔の怪異譚を読んでいるような独特の雰囲気があり怖さのレベルは高い、著者はほとんど読んだことがないのでこれからは注目する
2023/10/18
みんなをやさしくみまもりたい
傑作「箪笥」。これは読んでおくべきだ。語り、視点、ロケーションの変化など実に技巧的ですばらしい作品だ。次の「蛞蝓」まではまだ良かったが、後がひどい。だんだんつまらなくなってくる。「箪笥」だけのために買うのはよいと思う。
2014/05/31
ゆーいちろー
思えば、本書との出会いは古い。奥付をみると1987年とあるから、その頃からわたしの本棚にあることになる。新聞広告で本書の存在を知り、親にねだって買ってもらったのを覚えている。一番好きなのは「箪笥」だろうか、冒頭最初の作品だけに、初めて読んだ時のわけのわからない怖さが、再び甦ってきた。おそらく作者晩年の作品といっても良いのだろうが、どちらかというと骨太で重厚な感じの伝奇・SF小説が多い作者がぽつんと残した、地味ながら印象的な掌編小説集だと思う。
2011/07/03
hiko1
「箪笥」・・能登地方の怪談という設定。 市助は、両親、女房、8人の子どもと暮らしていた。ある晩一番小さい三才の子が箪笥の上で夜明かしをする。叱ってもやめないどころか、いつの間にか家族がみな箪笥に座って夜明かしをするようになる。市助は恐ろしくなり、家を出て船乗りになるが、久しぶりに帰ると家族は市助にも箪笥に座るようすすめる。 ここで起こる出来事は静かで害のないものであるが、なんの解決も見当たらない。合理的な説明のない、理解不能の世界を垣間見る恐ろしさを感じさせるお話である。
2022/01/22
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