ピアニシモ
ピアニシモ / 感想・レビュー
海月
20年以上前の作品だけど、現在でも違和感なく読めると思います。肯定的に見れば未来を予見した作品だと言うことも可能ですが、~のように、~のごとくと言った表現が多く、それが気になって若干読みにくく感じました。書かれている内容に勢いがあるだけに、惜しい気がします。でも、デビュー作らしい若さや瑞々しさを感じる作品でした。
2013/04/21
Costa まさ
駅のプラットホームで遭遇した自殺者、病院の老人、顔を知らない電話友達、自分がいじめられないために暴力を振るうクラスメイト、登場人物達に生々しさが感じられない。それが作者の意図的なモノだとしても、最後まで納得出来なかった。
2016/07/08
Yuri
全般的に ほの暗い印象だが、「決別」することで、暗いイメージで終わらせないところがいい。 自分が生まれる前に書かれた小説であるが、今読んでも違和感はそれほどなく読める1冊。
2018/07/29
のら
悲しみ、孤独から生まれたであろう幻影=分身と、現実を受け止めたことで別れを告げた少年。発売当時に読んで見えなかったものが、年齢を重ねてさまざまな経験をし、見える気がした。少年も私もそれぞれに成長したのだ。そして、少年も私も前に進まねばならない。中年でも読見直して良かった。それにしても「いじめ」の問題は25年経ってもまったく解決していないのだなあ。本作にもある通り、ひとえに無関心、無責任のせい。命に関わること、一生背負う心の傷になること。なんとか対策を、と願いたい。
2015/07/21
なおこ
なぜ、物心がつく頃から幻影がいたのか。寂しい気持ちを埋めるための幻影なのに、幸せな家族生活を送っていた小さい頃からいるというのが、腑に落ちなかった。比喩表現が多く、最初は読み辛かったがなんとか読了。自分ではない誰かに認められて、初めて自立できるのだろう。殻を割った主人公の前向きな一歩が良かった。
2014/10/16
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