黄金伝説: 近代成金たちの夢の跡探訪記
黄金伝説: 近代成金たちの夢の跡探訪記 / 感想・レビュー
つまみ食い
新潟の豪農やサフラン酒造、九州の炭鉱王たち(麻生家も含む)、たばこ王、南洋貿易など明治から昭和頃の産業が産んだ「成金」富豪たちの蕩尽をその遺迹の写真や証言とともに辿る「考古学」。破天荒な蕩尽とともに、教育施設や医療など社会インフラに惜しみなく私財を投じるメセナ意識なども根強いのが興味深い
2024/06/03
小林ミノリ
近代化に向けて日本が邁進していた時代の痕跡をめぐる記録、産業考古学という新たなる学問の形をとった少々センチメンタルな旅行記のような味わい、余談ですが、こげなもん!!のモトネタである石炭王について知ったのがこの書であります。
ささ
■産業考古学という、あまり聞き慣れないジャンルを扱ったもの。サフラン王、サトウキビ王、稲穂王、ニシン王、石炭王、銅山王、生糸王、たばこ王、鉄道王、映画王、遊廓王、南洋王、と今は廃れてしまった産業にスポットライトをあてている。王たちに対して、金ぴかの家を建てているに違いない、贅沢三昧をしているに違いない、という先入観を持っていたが、意外にも質素だったり、地域のために病院をつくった王だったりと私的には予想外の展開。本の冒頭にある通り、硬派な本。大人の社会見学という感じで、とても楽しめる。
2014/05/15
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