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お気に入りの孤独

お気に入りの孤独

お気に入りの孤独

作家
田辺聖子
出版社
集英社
発売日
1991-01-01
ISBN
9784087727753
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お気に入りの孤独 / 感想・レビュー

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Rosemary*

神戸の御曹司、涼と結婚した風里。何事も母親に相談するマザコンだが、それさえも可愛いと思っていたのだが…甘美で贅沢な暮らしの中で芽生えた不信と猜疑心はムクムクと膨らみ、幸せと思い込んでいたものは、実は散(バラ)積みで、指一本で崩れてしまうものだったのではないかと不安になる。心の中の葛藤がリアルに響き、小気味よい関西弁で軽いテンポで肩肘張らずに進みます。このまま何事もなかったかのように過ごせなかった風里の決断は何と無くわかるが、最後までどちらにも感情移入はできなかった。出石への旅の模様は素敵だったなぁ。

2015/10/15

Yetina

田辺聖子と言うと、昔読んだ古典のイメージが強かったが、軽い感じのこの小説も面白かった。 超マザコンのお金持ちのお坊ちゃまと結婚し、無難が一番と自分に言い聞かせて玉の輿妻をやってきた女性が、「お気に入りの孤独」を手に入れる過程を綴って行く。関西弁の会話が小気味よく楽しめた。

2021/05/01

スノーシェルター

お金があっても、ここまでのマザコンはイヤだ。二股をかける男の、どちらも好き…は、どちらも嫌い。もしくは、自分が一番好きってこと。「寂しくても、気楽な孤独の方が良いや」なんて強がりを言いたくなる話でした。

2011/02/22

tulip

「これ、ワシの嫁でんねん」などといって私のセーターの衿元から手をつっこもうとする。それはいつも私たちの楽しい、いちゃいちゃ遊びなのだが、私は楽しんでる顔をふと見て、ちょっと軽いショックを受ける。涼の顔は輝くような幸せにゆるみ、それはまさに「幸福のトロ味」というべきものだった。涼の幸福度と私の幸福度はイコールになっていたのだ。

2016/04/21

あさみ

「コーヒーと恋愛」を読んだら、やけに田辺さんの作品が読みたくなって借りてきました。いつも通り大阪の元気が良くていい女の物語。夫のマザコンで超がつくお坊ちゃまの涼を愛してはいるけれど、ほんとにこのままでいいのかな?と思い、嘘がきっかけでこれまでの自分の幸せに向き合う。 田辺さんの描く女性は、おっかしいなーと自分を客観視しているところが好き。溺れない女がカッコいい。

2015/05/30

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