五稜郭残党伝
五稜郭残党伝 / 感想・レビュー
田中寛一
榎本武揚の五稜郭降伏の時に道内に投降を嫌った兵隊の物語。道東の別海町で昭和45年に発見された首無しの2体。百年から百五十年前の推定され作者が、残党兵だと推理したものという。五稜郭のときにその後、半年もの間、掃討作戦が続いていたのを初めて知った。アイヌからの搾取だけではなく、敵だったものが逃げたからといつまでも追い、斬首刑にしていったとはひどいものだ。その過程の中で、訳もなく殺されていったアイヌや和人たち。歴史の教科書では知りえなかったことを知れてよかったが、維新政府もかなり酷いね。
2018/03/04
Yoshihiko Nakade
蝦夷地三部作の第一作、函館戦争の後日談を敗者の立場から描いており、先に読んだ「婢伝五稜郭(こちらの方が新しいが)」と共通している。導入部分から結末は窺えるが、それでも予想が裏切られて欲しいと思わずにはいられない。いまや佐々木譲といえば警察小説だが、歴史小説もやはり面白い。ぜひ、他の二作も読んでみたいものだ。
2013/07/15
ザッハトルテ
日本人が過去にアイヌの人たちにどんなことをしてきたのかをしっかりと知る必要がある。アイヌの言葉も文化も消滅しかけて、残っているのは地名だけなんて悲しい。
2017/12/22
あいまい模糊
終局ヤエコエリカが決意する場面で、堪えきれず声をあげて泣いてしまった。
2020/07/11
akira
「蝦夷地三部作」の1、ということで、続きがあるのでしょう。哀しい終わりながら、続きが気になりました。終わりはあっけなかったが、そういうものかもしれない。
2010/04/23
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