人参倶楽部
人参倶楽部 / 感想・レビュー
青豆
深夜の地方都市、スナック<人参倶楽部>を舞台に繰り広げられる連作短編小説。<人参倶楽部>のマスターと、訪れた客がグラスを傾けながら交わす他愛のない会話から浮かんでくる人間模様。不倫に疲れた女、すべてが冗談のような小説家、勤め帰りのホステス、来るはずのない女を待つ男。お酒を飲むと人は自分の事を話したくなるものなのだろうか。「行きつけのバーを持つ」という夢があるので、いつかこの作品の様にマスターとグラスを傾けながら他愛もない話をしてみたい。
2014/10/27
いずみる
全10篇で構成された短編集だが、"人参倶楽部"という店に関わる人々の連作集で、2篇ずつ前篇後編をそれぞれ別の視点で語る形式。手紙語りで綴られる「元気です」、電話語りの一人称「夜のうちに」は出色。作品の中心にいる"人参倶楽部"のマスターが、典型的な佐藤正午ワールドの主人公で、彼の飄々とした女遍歴とその裏面である一見派手でギラギラした夜の街に垣間見る女たちの、男たちの人生の悲哀が胸にしみる。
2024/02/21
らんちあ
旨い
2021/04/29
choco
スナックのマスターを中心にした夜の商売の人々の人間模様を綴った短編集。他愛もない話題ばかりだが、夜、飲みながら軽く読むのによいかも。女性に対し自由なマスター、全て納得したように多くを語らない奥さん、もう少し自分を出してもいいのに。
2016/01/08
貧家ピー
人参倶楽部というスナックのマスターを巡る人間関係を中心にした連作短編集。やっぱり男が好きな小説だろうなあ、これは。
2013/04/03
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