KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

死父 (現代の世界文学)

死父 (現代の世界文学)

死父 (現代の世界文学)

作家
ドナルド・バーセルミ
柳瀬尚紀
出版社
集英社
発売日
1990-07-16
ISBN
9784087731156
amazonで購入する

死父 (現代の世界文学) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

田氏

死父とは死んだ父親です。死父とは死んでいるのに生きている父親です。死父とは生きている父親です。まだ続けますか?そうそう、ポストモ団とはポストをモする団体です。しかしこの作品は、ポをストモダンするための脳内イメージを拒みます。どうやって?柳瀬尚紀による翻訳。ちょっぴり手厳しいみたい。でももしかするとそれほどでもないんじゃなくて?<CM>『息子たちのための教本』絶賛発売中。(1)概念父の埋葬。(2)きたるべき怒りからの逃走。(3)ポストモ団員は30%の割り引き。(4)肩が3つある方には当社が送料を負担します。

2019/09/17

mejiro

この長編は父がメイン。その父はとてつもなく巨大で、しかも死んでいるのに生きている。なんの話?と思いながらも読んでしまう。メタファーとしても読めそう。

2015/02/05

きりぱい

すごい!全然わからない!理解不能なまま終わった。死父、死んでいる父。寝姿全長1600メートル。やにわに立ち上がって走り出す、怒る。埋葬地まで19人の従者に牽かれる父は喋る、食べる。やっぱり死んでいない。でも死んでいる父!おまけに分裂気味でつかみきれない会話。殊勝なのか黒いのか、エロいのかクールなのか、すごく優れたガラクタという感じ?バーセルミ、一体どーせるミー・・。

2010/11/29

Mark.jr

<シンデイルガ イキテイル チチヲ ハカバマデ ツレテイッテ マイソウスルマデノ タビノモノガタリデス> 短編で有名な著者ですが、本書は数少ない長編になります。最大の特徴は、ぶつ切りなった文章が続いたかと思えば、改行もない長文がダラダラと流れたりする文体で、ジャズの即興に喩えられる通り、自分も読んでいてOrnette Colemanのフリージャズを思い浮かべます。ストーリー自体も、ブラックユーモア、風俗、言葉遊びが渾然一体となっており、アメリカ実験小説のお手本みたいな作品です。

2021/06/12

マネー不成立

巨大な死んだ父を息子たちがケーブルで引いて旅に出る。死父は実際の父親というよりなにか観念的な存在であるようだ。全体的に難しい文章ではないので何が書いてあるかは明白だけど、登場人物の言動の意図がまるでわからない。会話の中にも唐突に「犬置き場」みたいな単語が出てきて説明もなし。それでもやたらおもしろくてスルスル読めるのは言葉選びのセンスと文章のリズムが抜群だからだと思う。深読みすれば息子が父の支配から解放されていき最終的に父を埋葬する父殺しの話とも読めなくもないけど、言葉の戯れに浸っているほうが気持ちがいい。

2015/01/01

感想・レビューをもっと見る