黄金の百合
黄金の百合 / 感想・レビュー
こぽぞう☆
図書館本。25年も前の刊行なのに、借りたの私が最初っぽい。 成就しない(セックスに行きつかない)恋の快楽。プルーストを積んであるのが痛恨。6章まで、と文中にありながら、6章はない。成就してしまった後は、読者の想像に委ねる?
2018/03/27
ソングライン
パリの骨董屋で見つけた黄金の百合の置物に同時に興味を持った二人の出会い、貴族の血を引く美しいレーヌは中国古代宗教史を教える主人公シモンに自分のためだけの小説を書くように依頼します。妻、息子、愛人や教え子との不倫をシモンは書き送り、次第にレーヌとの関係を妄想していきます。彼女の依頼はシモンとの倒錯の性を楽しむための手段だったのか、二人だけの秘密であったこの小説が何故出版されたのか、禁欲の果ての愛を描く物語です。
2024/05/06
生きることが苦手なフレンズ
ただ1人のために書かれた小説(という体)、いいですね。 個人的に気になったのは、「夢」、「精神分析」あたりのキーワードですね。不可能な愛、挫折、去勢みたいな雰囲気をどう書いたらいいか、文学にも心理学にも詳しくないのでよくわかりませんが、全体の雰囲気?リズム?がすごくいいです。「言葉は神であった」とすると、黄金の百合というモチーフから、レーヌ=マリア、シモン=天使であり、シモンの不可能な愛の結果として、無原罪の宿り=本作があるのかもしれないと妄想。
2014/02/01
roaming_south
ソレルスはあらすじとかそういうのは皆無な作家だと思っていたが、この作品にはあらすじがあって比較的読みやすかった。ちりばめられたワードにはそれぞれ意味があり、膨大な知識量が必要とされるが、自分の知っている元ネタが出ると楽しい。記憶に残った言葉は「ぼくたちの契約を読み直して、メフィスト」。素敵な殺す文句。メフィストがキュウべえだと更に想像が深まる。
2011/09/28
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