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ロシアの星

ロシアの星

ロシアの星

作家
アンヌ=マリー・ルヴォル
河野万里子
出版社
集英社
発売日
2022-06-24
ISBN
9784087735185
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ロシアの星 / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

1961年、人類初の有人宇宙飛行としてボストーク1号に単身搭乗したユーリー・ガガーリンの「地球は青かった」は有名だ。アポロ11号で初めて月に降り立ったニール・アームストロングなど“初めて“を成し遂げた人は仰ぎ見る星=スターのように見做され、どこに行っても人気の的となる。しかし、当の星は、幸せだったのか?主役たるガガーリンは、背表紙にいる。表紙挿絵に登場する人物が、それぞれの短編の主人公だ。全部で九人おり、後半になるに従い、実際に彼と出会った人が多くガガーリンは“国家の英雄”としての華々しい姿から遠ざかる。

2022/07/26

くさてる

世界初の有人宇宙旅行を成し遂げた、ユーリ・ガガーリン。かれとかれを取り巻く状況のあれこれを連作短篇のかたちでまとめあげた一冊。面白かったです。実在の人物と創作の人物が交差し、それぞれの人間模様と当時の社会情勢が影響しあって、たどり着く場所がある。そんな印象。個人的にはガガーリン本人の視点はずっと登場しないままのほうが良かった気もしますが、それがあることで、さらに物語の深みは増したのかも。良かったです。

2022/09/14

Ex libris 毒餃子

『ロシアの星』というタイトルからガガーリンだけではなくКрасная звездаも絡んでくるのかと思いきや、そこまでイデオロギー的要素はなくて良かった。ロシア宇宙開発史は涙あり涙ありの泥臭くて漢っぽい地道さの果てに成功を掴むのが良いです。第一話のおじいさんと孫の話からスタートするのも良い。

2023/08/31

1961年4月12日、人類で初めて宇宙へ行ったユーリー・ガガーリンに関連する人々の、10篇の短編小説集。一つ一つの話が比較的短いので読みやすかった。わたしにとって彼は初めて宇宙へ旅立った人で、それ以上でもそれ以下でもないのだけれど、彼に影響を受けた人がたくさんいたんだなと思った。ロシアの人にとっては、彼は英雄で、誇りであるということが、ひしひしと伝わってきた。彼については全く何も知らなかったけれど、この本を読んでちょっと詳しくなった気がする。それに、宇宙への見果てぬ夢が膨らんだ。★★★★☆

2023/02/23

ハルト

読了:◎ まさに「ロシアの星(スター)」だったユーリー・ガガーリン。彼のロシアの英雄となって以後を、彼を取り巻く人々の視点から、深く浅く語る。▼非の打ち所のなかったスターの、人間らしい側面が徐々に現れていく。それと同時に、その時代のソ連の在り方も書かれる。英雄という虚像を剥ぎ取った時、そこにいたのは一人の生身の人間であった。幻影のような宇宙飛行士としての彼の一生は、どこか掴み所がなく。選ばれし者の義務として、どこまでもスターを装っていた彼の非業の死には、悲しさが残る。

2022/08/06

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