棋翁戦てんまつ記
棋翁戦てんまつ記 / 感想・レビュー
コリディ
10点。あー面白かった。逢坂剛と船戸与一が棋翁戦というタイトルを将棋で戦い、その観戦記を志水辰夫が書き、脚注で逢坂、船戸がチャチャを入れる。棋譜も掲載され、随所に本人たちの楽しそうな写真入り。その後夢枕獏、黒川博之、北方謙三、大沢在昌らも乱入する。最後はさすがに息切れ感があるが、冒険作家の大人げない、素の部分も垣間見れ、楽しい読書時間でした。山口瞳の「血涙十番勝負」持ってるはずだが、どこ行ったんだろう?
2020/09/05
hirayama46
作家の身内の縁台将棋……もとい、栄誉ある棋翁戦タイトルをめぐるノンフィクション。冒険小説やハードボイルドのベテランたちが互いをdisりあう文章芸が楽しめる本で、とにかく娯楽性が高くて楽しい。棋風と同じで罵倒にもそれぞれの嗜好があって、逢坂剛は歯切れが良く明晰、船戸与一は直線的で力強く、志水辰夫は優美、洗練、夢枕獏は鷹揚といったところでしょうか。関係ないはずの北方謙三や大沢在昌への飛び火(のちにゲスト寄稿もあり)もありつつ、強敵の黒川博行が待ち受ける。愉快愉快な一冊でありました。佐々木譲は人が良いそうです。
2019/12/22
やな
おもろい!図書館で笑いをこらえるのが大変だった。逢坂剛、船戸与一、志水辰夫の仲良し作家達のヘボ将棋の記録。途中から夢枕獏、黒川博行も参戦。立会人が観戦記を綴り、対局してた2人はページの下の脚注で自分の想いを語る。そこではただただ相手をけなし、自分をひたすら正当化する。要はおっさん達のじゃれあいの記録でもあった。1995年初版の古い本であるが、当時「新宿鮫」を大ヒットさせていた後輩の大沢在昌も、とばっちりで大沢新宿成金在昌と言われ放題。彼らの棋譜などあってないも同然。将棋のルールさえ知っていれば爆笑できる。
2019/01/12
鬼山とんぼ
飲み会の冗談から始まった著名冒険作家たちのヘボ将棋の記録。ホンネ剥き出しでプロレスみたいに相手に悪口雑言をぶつけ、自分は徹底的に自己弁護し、見栄や体裁お構いなしの抱腹絶倒の一冊。この本を読まずして逢坂剛、船戸与一、夢枕獏の実相を知ることはできず、彼らのファンを自称する程度は許すが、マニアを名乗るのは不届き千万、電話は二番、惨事の始末は集英社であろう。名人になった米長邦雄も登場するが、実は私は「一歩千金」と書かれた直筆の色紙を持ってるぞ。
2017/08/05
tai65
星4・5
2018/03/25
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