アマニタ・パンセリナ
アマニタ・パンセリナ / 感想・レビュー
鉄之助
メルヘンチックな表紙にだまされてはいけません。「毒」がいっぱい。アマニタ・パンセリナとは毒きのこのテングタケ。著者のドラッグに関する"体験的"エッセイ集だった。時には干したサボテンや毒キノコを食し、ガマの油をなめ、咳止めシロップを一気飲み…。ありとあらゆるドラッグが登場。一時的「気持ちいい」と苦しさが怒涛のように押し寄せる。結果、得られたのは、「自分で自分に愛想をつかせても生きていける。自殺しちゃいけない」。中島は、40歳までに何と87回!自ら愛想尽かしをしていた。それでも、生き、書いた。パワーをもらった
2024/09/01
ホークス
らも氏にしか書けないドラッグ漫遊記。サービス精神と反骨の関西魂プラス無垢な知性。負に半ば侵された者のデビルマン的強靭さが滅びの美となる。覚醒剤は「思考が精緻で広汎であるような錯覚をもたらす。作家には向かないが、依存患者的読者を相手にするなら有効」。アルコールは立派なドラッグだが耽溺迄のプロセスがあり、覚醒剤はいきなり中毒にする点でより邪悪。ドラッグへの依存性も含め様々な心性が存在するのは体質と同じで、無視しても解決はしない。場への同化を強いる因習もまた集団的依存であり、ドラッグ同様タチが悪い。
2017/05/01
DEE
この奇妙なタイトルは有名毒キノコのテングタケの学名だそうだ。 ガマの油から始まり、咳止めシロップ、毒キノコ、睡眠薬、幻覚サボテン、そしてもちろんアルコール。なぜ著者はここまでぶっ飛びたいのか。それは「気持ちいいから」という。清々しいくらいの潔さだ。 でもアル中に加えて重度の鬱病も抱えながらの生活はしんどかっただろうな。
2020/05/12
とんかつラバー
メルヘンな表紙だが、中身はドラッグ&ラリり体験記。昔は処方箋なしで薬局で睡眠薬売ってたりしたけど、ハシシ(ハシシュが正しい発音)マリファナ、シャブ、シンナー、咳止めシロップ、サボテン、ありとあらゆるものに手を出してる。ドラッグに貴賎をつけてるのも面白い。大麻やアヘンには情緒があるがシャブは下劣で下等。ジャンキーが自ら破滅を求めて薬をやるのはいいけど、シャブは何も知らない人に手を出すのが下卑ているとの論。無頼派にはやっぱアドルムだよな
2023/09/05
そうたそ
★★★☆☆ 薬物エッセイ。危険な香りのするものばかりだが、自分のまるで知らない世界を覗いているようで興味深くもある。もちろん踏み込みたくはないが。最近、若者の間での咳止め薬の乱用がニュースになっていたが、本書にもその話題が。ブロンの乱用って、この頃からずっとあるんだなあ、と。
2019/09/28
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