深川恋物語
深川恋物語 / 感想・レビュー
Shinji Hyodo
読み終えてまたもや表紙絵に見入ってしまう…深川の川面に映る恋六編。想う相手がいれば突っ走るのが若さだろうか、後先なんか考えちゃいない勢いで結ばれる恋もある。けれど、ちょいとでも相手を疑う気持ちが起きれば退っ引きならない悋気に焦がれるのも恋。好いて好かれて一緒になっても少しの釦の掛け違いでご破算に…宇江佐さんの描く深川の恋物語。何れも味わい深くしみじみと読ませていただきました。
2016/08/03
やも
We're ALIVE SO 生きている THE人間 YESYES 人間。はぁーどれもこれも(・∀・)イイ!!粒ぞろいの絶品短編集。温かみを感じつつ、キュンと切なく寂しさもあるのがたまんない。逆も然り。生きていくと抱える荷物が増えていくけど、下ろしてホッとするか、それとも一緒に抱えてくれる人と歩んでいくか。色んな路があるね。皆歩いてんだね。ちょっと藤沢周平さんの【橋ものがたり】を連想した。【下駄屋おけい】【がたくり橋は渡らない】【凧、凧、揚がれ】【さびしい水音】【仙台堀】【弧拳】
2023/04/13
やま
胸がときめき、いろんな想いが語られる六話の恋。江戸は深川。一話一話いろんな想いが描かれた物語に、心が揺れたり、怒りが湧いたり、涙が出たり恋に絡んだ人情物語です。下駄屋おけい、がたくり橋は渡らない、凧、凧、揚がれ、さびしい水音、仙台堀、孤拳、の短編6話の中で一途な恋を貫いた「下駄屋おけい」が良かったです。
2023/04/29
フキノトウ
恋のお話とは少し違うような、スイカの凧を揚げたいと習いに来るおゆうという少女のお話「凧、凧、揚がれ」と、息子が振袖新造を身請けするのに気を揉む母のお話「狐拳」が面白かった。
2018/10/07
リリー・ラッシュ
読み終えて心温まる章もあれば、切なかったり、悲しかったり、胸が苦しくなる章もありました。そう、恋物語ですからね…読み終えてしみじみ思いました。様々な形の恋の行方。心温まる「下駄屋おけい」「狐拳」ももちろんいいけれど、辛い恋の別れを経験して、過去に未練を持ちながらも、新しい自分の生きる道を健気に生きていく人達の物語が、私には深く心に残りました。でも、「仙台堀」だけは辛過ぎました…。宇江佐作品二作目。まだまだ未読の作品がある事がとても嬉しいです。
2018/01/08
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