砂をつかんで立ち上がれ
砂をつかんで立ち上がれ / 感想・レビュー
いちろく
紹介していただいた本。これまで、文庫の解説では読んだ事があったけれど、中島らもさんの作品を読む事は初でした。「11人いる!」での独特のコメントが印象に残っていたので、今回のエッセイも興味深く読めました。破天荒で無茶苦茶な面を含め、真っ直ぐに自分の思いを伝える点と相手を皮肉りながらも感謝や尊厳を忘れていない点が、首を傾げるような行為の数々を差し引いても、読んでいて飽きさせない。そこが、中島らもさんの人としての魅力なのでしょう。山田風太郎作品について熱く語っていた内容が特に好き。紹介感謝!
2016/09/09
みゃーこ
奇想天外な発想のパラダイム変換とそのダイナミズムへの魅力は今も私なお私を虜にする、らもさんのエッセイ集。キャッチコピーに吸い込まれる。「災厄を嘆かない。災厄をテコのように扱って新しい自分を権限させる。転んでも砂をつかんで立ち上がってくる。俺もそうだ。」どんな厄災も笑いのネタ、作品のネタに昇華して客観視してる。らもさん。「しかるべき本がしかるべき読み手に出会えるように。」末尾にあるようにらもさんの語る「非日常」は今も読み手の一人である私を元気づけている。「世の中全ての厄災はおいしい、ネタの宝庫」だとね。
2015/05/29
どぶねずみ
この本を読むきっかけは、朝日新聞の読書コラムで乃木坂46の齋藤飛鳥ちゃんが、好きな本はコレだと書いていたから。確かに20代の子が好みそうな内容だ。中島らもさんのエッセイだけど、細かい章の冒頭にらもさんが読んでいた本が紹介されているのが良い。誰でも自分の生きざまの中のどこかで、何かしら本の印象に残った内容を思い出すことはあるだろう。中島らもさんがどんな生き方をされてきたのか、くだらないこともたくさん書かれているが、それが妙に面白くて、息抜きになる。
2019/04/03
ぜんこう
エッセイやパンフレットや文庫本解説などを集めたもの。 文庫本の解説をこんなに書いていたのも知らなかったし、それが比較的真面目な(当たり前か?)らもさんらしさが出ててなんか新鮮でした。
2019/04/14
myunclek
西加奈子のごはんエッセーと併読して同日、読了。全く違うカテゴリーなんだけど、交互に手にしても何ら問題無く読めました。貸本屋で出合った漫画本や山田風太郎の忍法帖で人生が180度変わったという中島らも。天才の持つ凄みが随所に現れるが、既にこの世に居ない。枯れた歳にさしかかった彼の作品を読みたかったもんだ。
2017/10/24
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