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落花流水

落花流水

落花流水

作家
山本文緒
出版社
集英社
発売日
1999-10-26
ISBN
9784087744330
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落花流水 / 感想・レビュー

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ミカママ

あぁ、やっぱりわたしは、山本さんの感性は嫌いになれないなぁ。たとえ作中の女性たちがみんな無責任で、共感できるところがひとつもないとしても。読了してみて、山本さんの読者へのメッセージはいったいなんだったんだろう、と本を膝に置いたまま呆然としている。

2017/12/28

モルク

手毬とその家族をめぐる7才から60年に渡る10年毎の7章。隣に住むハーフの男の子との話から我儘でこましゃくれたお嬢ちゃんという印象から始まり、母と思っていた祖母が亡くなり実は母だったという大好きなお姉ちゃんと暮らすこととなるが、貧困ネグレクト…と様々な苦悩が。母に振り回される生活、家族を捨て男に走る母、そしていつしか手毬も同じような道を歩む。章ごとに話し手が変わり次は誰かと楽しむ。手毬の人生はまさに落花流水。最後に67才の手毬の元を訪ねてきた母、まあ元気なこと。そして相変わらずで、気性の荒さは変わらない。

2022/02/02

クリママ

7歳から10年ごとに語られる、一人の女性のこと。2027年67歳まで。1999年に発刊された本で、2017年のことは当然ながら現在の状況とは少し違っていて、それはご愛嬌と言ったところか。さばさばした文章、突き放された感じ。娘として妻として母として、「娘であってもやはり他人の幸せは他人のものでわたしのものではない」という言葉に凝縮される。面白かったし好きだ。でも、だから何だったんだろう。何を受け取ったんだろう。落とされて勝手に流れる落花流水か。角田光代、桜木紫乃、山田宗樹の女の一生を思い出してみる。

2018/04/11

とこっぷり

【改めて山本作品を追いかける追悼】7歳の手毬が67歳なるまでを10年刻みでおっていく作品。周りから見て幸せな生活でも実は幸せではなかったり、周りから見て「なぜそれを選んだ?」という生活が実は幸せだったり。何を幸せととらえるか、家族に何を求めるか、そんなことを問われた気がした。

2023/08/28

えみりん☆

綺麗な表紙とは裏腹に、ドロドロな人間関係に共感は出来ないけれど、話としては面白いかも。母と思っていた祖母がいきなり亡くなり、姉と思っていた人が本当の母だと幼少の少女に突きつけられ、母を嫌悪しながらも母親と同じような人生を送り、また娘も同じような人生を送ってしまうのは、痛々しいというか哀しいというか、どこかで断ち切って欲しいと思わずにはいられません。アルツハイマーになった手毬は幸せなのでしょうか。女性は愛を求めて人生を彷徨っているのでしょうか。

2014/10/10

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