薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木
薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 / 感想・レビュー
atori
結婚してから、江國さんの夫婦を描いた小説を読むことがより一層楽しくなった。 この作品は、色々なタイプの女の人、男の人、そして夫婦が登場し、入れ代わり立ち代わり様々な物語を展開していく一冊です。 夫婦になることは恋愛のゴールと例えられがちだけれど、その「結婚」でさえこんなにもバラエティに富んだ問題の始まりに過ぎなかったりすることになぜか安堵するし、また、ある人には「素敵な人」と思われている人物が、またある人の心の中ではこき下ろされていたりすることに、こちらは素直な、安堵を覚える笑
2015/01/30
毎日パン
登場人物が多すぎて、読み始めは混乱してしまった。それぞれの人生があるあるで面白くて一気に読んでしまった。今の生活をそのまま保ちつつ自分なりの楽しみを見つけたり、今の生活に終止符を打ったり決断もそれぞれ。結婚に対する考え方もそれぞれ。考え方で色々な人生になるなと思わされる作品だった。
2021/03/15
里季
①登場人物が多い。②改行しただけで、いきなり登場人物と場面がガラリと変わる書き方。③特別に何の事件も大した出来事も起こらない。以上の理由で、前半は何を読んでいるのやら一向にわからなくて困った。が、家系図を書くように人物を書き出し、誰と誰が夫婦なのか、不倫関係なのかを整理して、お話に関しては、おそらく30代の夫婦と何人かの女性が、いろいろ複雑に関係していて、そんなことは見せもせずに、ランチをしたりパーティをしたりする、そういうお話なんだな、と理解した途端に読む速度が増してきた。結局みんな勝手なんだな。
2013/09/07
Mer
大好きな江國香織さんの作品の中で、圧倒的な数で再読している本です。出て来る女性たちの奔放っぷりが清々しく、自分の人生を貪欲に素直に丁寧に生きている逞しさに、定期的に会いたくなります。みんな「愛」に生きている感じが好きです。この頃の江國作品は私にとって、無くてはならないものたち。生活水準が少し高めで少し優雅な日々も、嫌味臭く響かないのが江國さんらしいです。読み返す度に、心地良さが染み込んでいきます。ざわざわしない心の落ち着き具合。あぁ..良い読書時間だった。
2023/08/23
ゆきえ
何回この本を読んでいるのだろう、という感じ。基本的には陶子と衿が好きなんだけど、それでも毎回気になる、注目する人が変わるので、この小説とともに自分の心境、状況の変化もいっしょに楽しめる。今回はれいこが気になった。美人でいつもきちんとしていて仕事ができて友人を大切にしてホームパーティなんかもひらいちゃったりする。自分と違う世界に生きている人なんだと今までは思っていたのだけれど、意外と自分と共通する部分もあるのかなーなんて思った。たとえば、どこに行っていたの?と、土屋に訊けないところとか。なんてね。
2014/04/01
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