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春画

春画

春画

作家
椎名誠
出版社
集英社
発売日
2001-02-26
ISBN
9784087745108
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春画 / 感想・レビュー

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SOHSA

《図書館本》「大きな約束」を読中、時系列的に本書のほうが先だと気付き、「大きな〜」をいったん中断して読んだ。椎名家のそれぞれはそれぞれに自らの進む方向を見い出し歩み始めている。時は流れ多くのことが変化していく。事物も人の心も。本書はもはや「岳物語」ではなく、「椎名家物語」或いは作者自身を描く「誠物語」なのだろう。移ろい変わりゆくことの悲哀に作者の心は揺れ動き、それに呼応して読み手の心も揺れ動く。

2023/02/14

ソラ

内容(「BOOK」データベースより) 親や妻、子供たち…。家族がそろって暮らしている時間など、うたかたのものでしかなかった。母が死んで初七日の晩に、姉が箪笥を整理していたら、私宛の茶封筒が出てきた。開けてみたら50枚もの春画だった。母はなぜ私にこんな形見を遺していったのか。旅先の小さな島でその奇妙な絵を眺めている私…。通り過ぎていく時間と変わりゆく家族の風景をしみじみと書きつくす7話。

2010/01/04

ジュースの素

7つの中編エッセイが入っている。主に家族とその周辺の人々との関わり。 20台になったアメリカ在住の子供たちに夫婦で会いに行く話なども。 椎名氏が50台の頃の出版。冒険ももはや少なくなり、今まであまり真剣に見ていなかった身近な事や物にだんだん目を向けるようになったのが伺える。

2015/10/20

yutusbochan(yasuhiko.utsubo)

ほぼ事実に基づいた私小説だと思う。母から譲られた「春画」を抱いて旅に出た日々の「春画」、椎名さんの家族4人が久しぶりにアメリカで出会った日々を書き綴った「家族」「海流」、母の3回忌に向かった日に、亡き母のことを思いつづった「秘密」、奥さんをチベットに送り出したときの「海流」、能代島の秀次さんの闘病に立ち会った「暗闇」と、歳を重ねた椎名さんの男の日々。中でも読み終えてぐっときたのは、同級生の葬式へ友と青森へ向かった日々を描いた「青空」だった。死んでしまったら何にもならない、でも友情はいつまでも続くものじゃな

2009/12/19

つちのこ

バラバラの家族が夫妻のアメリカ旅行を機に家族の絆を確認しあう「家族」「海流」は、やさしいタッチでひとつの家族の姿が描かれている。いかにも現代的な、一見理想的な家族のようにも映るが、数年に一度しか家族が揃うことがないのもやはり寂しい。今の日本ではこうした家族は増えているのだろう。泣いたり笑ったり、一つ屋根の下で寝起きできることも幸せなんだろうと改めて思う。

2001/03/24

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