君の夢は もう見ない
君の夢は もう見ない / 感想・レビュー
kei302
米情報組織のメールマンを引退した仲上が主人公の『鉱物シリーズ』番外編。中年で元・・なので全体的には地味目だが、哀愁漂うというか、人の情や家族や母国への思いを感じ取れる作品。“君”は仲上の元妻のことだと思っていたが、もっと広い意味みたい。 ラウル・ホウ=火蛇でよいのか? 去年出た新作にも出ていたので気になった。間宮ビルのメンバーで一番興味深いのは葉山の同僚の野口さん。 スピンオフで読みたいです。
2021/01/12
扉のこちら側
初読。2014年1080冊め。鉱物シリーズの脇役、中華文化思想研究所所長の仲上氏を軸に、中国に関わる様々な人間模様が描かれる番外編。エージェントのラウルについては今後も出てくるか?
2014/11/21
み
中上さんが、中心の短編集でした。葉山さんが、ほとんど登場せずで…、ちと残念なり。
2022/03/26
RIN
タイトルに胸を撃ち抜かれた。米国諜報機関の元メールマンだった仲上に届く知人からの手紙。そこで存在を漂わせる火蛇、ラウル・ホウという過去の亡霊。中国の自由を願い活動した彼らの道は既に違え、その元凶となった元妻は火蛇の幻を今も追いかけている。3/4のラウルが欲しかったのは1/4の仲上だけ。妻を得ながらも、その向こうに火蛇を求めたのは仲上の罪だ。けれど、それも全て過ぎた事。香港の惨状を今の彼らはどう見るのだろうか。君の夢はもう見ない。それは決別の言葉。夢の終わり。そして人を愛したい仲上のささやかな願いだと思う。
2021/10/19
Rin
鉱物シリーズ番外編。本編では脇役だった人物に焦点があてられています。本編を知らなくても十分に楽しめそうでした。情報漏洩に注意しなければいけない時代において、手紙という手段の安全性。また、留学生の苦労などもしっかりと伝わってきます。随所に「彼(君)」の姿がちらつき、最後はしっかりと纏められており楽しめました。 「過ぎた日々と多くの後悔に 報われなかった数々のことに そして、家族に」
2014/06/16
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