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ジゴロ

ジゴロ

ジゴロ

作家
中山可穂
出版社
集英社
発売日
2003-02-05
ISBN
9784087746266
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ジゴロ / 感想・レビュー

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青蓮

たった一人の女を愛し続けるために、百人の女と寝ることもあるーー女性同士の恋愛を描いた連作短編集。物語を読み進めていくと女たらしのカイが不思議と魅力的に見えてくる。男女の恋愛でもそうだけれど、たとえお互いに思いあっていても愛の深さは平等ではなく、必ずどちらかが片思いをしているのだ。それがとても切ない。そして「最高の状態でずっと1人の人間を愛し続ける」と言う難しさも。カイはこれからも、知ってしまったメグの秘密を胸に仕舞ったまま、彼女を愛していくのだろう。その苦しさを思うと微笑ましいラストも悲しく見えてしまう。

2016/12/18

あすなろ

夜な夜な読み進めた一冊として。女性同士の愛の世界を描くこの作品。ジゴロは女ジゴロであるカイが主人公。ジゴロとは籠絡する者だと思うが、様々な性愛が世には存在し、女ジゴロが女性を籠絡していく。或いは女性が女ジゴロに惹かれていく物語集。

2024/01/07

ブルームーン

初読み作家さん。男性の心を持つストリートミュージシャンの女性、カイ。カイには同棲する「彼女」がいるが、欲求不満を満たす為、ジゴロのようにレズビアンの女性達をナンパしていく。カイを中心とした連作短編集。ページ数少なめで本としてのボリュームは大きくないのに、内容はとても濃厚。

2014/07/04

masabi

【概要】女ジゴロカイで緩やかに繋がる短編集。【感想】パートナーとセックスレスのジゴロが他の女性と寝る。「ラタトゥイユ」ではあまり良い印象を抱かなかったが、他短編の異なる切り口で描かれる彼女を読むと一変する。家族を捨てたパートナーと言っても隠れて家族と会っていて、ワーカホリックでと複雑で、その秘密を知らないふりをし、寂しさを紛らわせ、罪悪感で受け入れる。「ダブツ」「上海動物園にて」は未来に希望があって読後感が良い。

2022/05/08

よんの。

再読。恋とは何かと問われると一番始めに思い出す作品。初めて読んだのは中学二年生の図書室で、私にとってこの作品は所謂【個人的な秘密】に近い。年上のきれいなお姉さんの顔を一目見る為に学校の前で待ち伏せする少年のような思いで私はこの本を眺めに図書室に通い、そしてこの本もまた私を待っていた。同性愛の著者が描くジゴロは勿論女性で、そしてとても奔放だ。私にとっての初恋はこの本のなかにあり、また恋の本質もこの物語にある。叶わない夢ほど甘美であり、肉欲を伴うことにより更に強く精神を焼く。私はまだ彼女を宵闇で待っているのだ

2016/10/24

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