綺譚集
綺譚集 / 感想・レビュー
クリママ
15編の短編集。題名や装画から、勝手に中世の耽美で残酷な世界を想像してしまったが、ほとんどが現代もの。綺譚という言葉は現代に合うのだろうか。初めの「天使解体」そして「黄昏抜歯」以外、斜めに読んでしまった。
2020/01/09
シェルティ
綺譚という言葉がぴったり、プラスえぐさという感じ。読後をすっきりという方にはお薦めできない。不思議な話15話。ホントこの作者、幅が広い、いや広すぎる。読んでいて、目をそむけたくなる部分も多いが、だんだん読み慣れてきてしまうから不思議、エロ、グロ満載。映像化するならぜひ園子温監督で。
2013/02/20
藤月はな(灯れ松明の火)
正常と狂気、死の気配と死臭の合間に儚く、現れるのは隠匿した罪、淫蕩、同性愛、近親相姦、エクスタシー、芸術への逸脱した愛。実名有名人が登場人物として登場した時は不安にはなりましたが^_^;「赤假面」は天才画家の村山槐多とE・A・ポーの「赤死病の仮面」のオマージュで嬉しいです。「夜のジャミラ」は大人が信じているようないかさまじみた理想の子ども像ではなくて子供の狡猾さや大人にとっては不都合な勘の良さ、残酷さの描写にほくそ笑みました。初版のため、著者検印がありました^^
2011/11/03
えも
この世界とは薄衣一つだけ隔てた、死とトロりと親和している腐臭甘やかな15の掌編。正に綺譚集。津原さんの描く妖しの沼に溺れ、快楽の時をしばし堪能致しました。
2016/08/01
KASAO
初の津原作品。怪しくも幻想的な世界だったり、どうしようもない人間の残酷さだったりが描かれた物語で構成された短編集。どの物語にも必ずと言って良いほど性と死が絡みつく。お気に入りは『夜のジャミラ』『赤假面傳』『脛骨』『黄昏抜歯』『約束』『古傷と太陽』。特に『黄昏抜歯』の主人公の妖艶さがヤバい。あまりにのめり込んで読むと自分もこの世界観に身を持ってかれてしまいそうなので、期を見て再読しようと思う。
2014/01/21
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