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家、家にあらず

家、家にあらず

家、家にあらず

作家
松井今朝子
出版社
集英社
発売日
2005-04-26
ISBN
9784087747522
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家、家にあらず / 感想・レビュー

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たま

昭和初期の歌舞伎座3部作から江戸時代3部作へ。双方に荻野沢之丞が出演しているのが面白い。30万石程度の藩の「奥」が舞台で、女中奉公に入った同心の娘を通してその仕組みが描かれる。生む性に押し込められた女たち。若い頃なら不愉快で読めなかったと思うが、枯淡の境地の今、生むか生めないか、生んでも別離など、(現代に通じないこともない)封建時代人情話をこれでもかと書く松井さんにの筆に感心しながら読んだ。物語はとっ散らかってどうなることかと思ったが、クライマックスで話が繋がり、予想外の爽やかな終わり方がとても良かった。

2022/12/17

宮永沙織

「家、家にあらず。継ぐをもて家とす。 人、人にあらず。知るをもて人とす。」 「風姿花伝」の言葉を、テーマとして書かれた本らしい。女の生きる道はお世継ぎを産む事だけとされていた時代、その陰謀と嫉妬渦巻く奥座敷には、それでも個々の生を謳歌せんとす、たくましい女性たちの生き様を描いた本。

2010/11/08

星落秋風五丈原

時代小説とは思えないほど今日的で、事件の謎を考えるよりも深く考えさせ られました。『非道』の 頃よりも作者の技量も確実に上がっていますし、現代に訴えるテーマ性は抜群です。

2005/06/06

ヨコット

大名家の奥座敷は愛憎渦巻く伏魔殿。行灯の揺れる炎の妖しい陰と、行けども行けども出口が見えない迷宮に最後まで引っ張られます。登場人物が多いのですが、サラリと出てきた人がキーパーソンだったりするので、おーっと!と戻って読み返すこと度々。加えて広い御屋敷の間取りが頭に入らず、一体どこにいるのかしばしば迷子にさせらせます。ラストは寄木細工の秘密箱のようにパタパタと収まりお見事です。ふーっと余韻に浸りながら巻末をめくると、そこには登場人物の紹介とお屋敷の見取り図が…!最初に教えてほしかった(泣)

2015/01/15

天笑院たか姫

同心の娘・瑞江は、亡き母の縁戚のおば様・浦尾の勧めで、砥部家の奥御殿につとめ始める。そこは、愛憎渦巻く強烈な女たちが巣食う城。慣れないお城勤めの瑞江の周りで不可解な事件が起きる。最後におば様の思いを酌んであげてよかったですね!「家、家にあらず」一生、同じ所に留まれないってことでしょうね。

2016/05/29

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