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河畔に標なく

河畔に標なく

河畔に標なく

作家
船戸与一
出版社
集英社
発売日
2006-03-24
ISBN
9784087748048
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河畔に標なく / 感想・レビュー

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キムチ

ミャンマー社会を継続しての読書。船戸モノだけに、死に方が出尽くした感じの阿鼻叫喚と狂宴・・そして2人が残ったラスト。「標なき」イラワジ河の其処には地名などない。ヘリ墜落で空中に舞った200万ドルに群がる畜生ども・・日本人・中国人・インド人・ミャンマーの元ゲリラや共産党の生き残りも含めた多数。イスラム教徒、毛沢東思想狂信者も。船戸節健在~東仙の口を借り「人間には運とか附きがあり、量は定まっている。使い果たすと全ては終わる」との人生訓に含蓄を感じる。狭いミャンマー風土にごった煮状態の民族が溢れ、価値観なぞ 

2021/09/06

サパタ

船戸与一お得意の誰も救われないパターン、加えて誰が主人公なのかよく分からない。高野秀行とのミャンマー旅行中に着想したらしいので、当時の政治状況や民族対立にインスパイアされた物語です。なので登場人物がやたら説明セリフなのはまぁ仕方がないとしてロヒンギャ問題にも若干触れておりアウン=サン・スーチー政権となった現在でも変わらぬ、難しい問題なんだなぁと思いました。物語そのものよりミャンマーの政治背景を知るうえで役立つ本でした。

2017/09/03

藤枝梅安

「蝶舞う館」に続くアジアの闇を描いた長編。今回の舞台はビルマ・ミャンンマーである。登場人物によって国の呼び方が違い、それがその人物の立場を示す。200万ドルを積んだヘリコプターがイラワジ河上流。カチン州に墜落した。2つのアタッシュケースに入った200万ドルは麻薬の代金としてインドに運ばれるはずだった。この金を巡って多くの男達が厳しい自然と闘いながらイラワジ河上流の密林地帯に暗躍する。国軍と対立する独立軍や、民族社会主義の活動家達などが命がけの攻防を繰り広げる。

2009/11/05

OHモリ

●この小説を書くための取材に同行した高野秀行のノンフィクション「ミャンマーの柳生一族」を先に読んだので、まあどんな小説になったのか興味があって図書館で借りてみた。 ●ミャンマーの政治状況にはまったく疎かったけど何となく雰囲気が分かったかも?でもそれからまた何年もたったので変わっているらしい(柳生一族のあとがきに書いてあった)。そんなミャンマーや中国の裏社会や少数民族に加えてイスラム教徒まで出てきていろんな人や思惑が入り乱れてわけわからんぞ・・・・と思って読み進めていくうちにまとまって収束してきます。

2013/10/24

sataz

高野秀行とのミャンマー取材の結果。イラワジ川近くのジャングル中追跡劇。自組織の200万ドルを持逃げしようとした在ビルマ中国マフィアが不時着し、同時期に脱走した民主活動家と出会い同行逃走する。それを追わざるを得なくなった現地在日本人(カチン兵士雇う)、刑務所副所長等。追う側も複雑で、追われる側も状況変わる。なのにミャンマー人の名前(シュエとかニュンとか)も区別つきにくく、読み進めにくい(それでも読めたのは作者の腕かもしれない)。高野の経験に立脚してるだろうところ、最後の方に出る残存中国共産党活動家は良い。

2012/05/23

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