聞き屋与平 江戸夜咄草
聞き屋与平 江戸夜咄草 / 感想・レビュー
ふじさん
薬種問屋の主人・与平は、息子たちに店を譲って隠居し、「お話し、聞きます」の看板を掲げて「聞き屋」という商売を始めた。何かアドバイスをする訳ではなく、ひたすら市井の人々の声に耳を貸す。そこからは、引き寄せられて老若男女が吐露する、抱えきれなくなった胸のうちが見えてくる。全編には、与平の過去にまつわる出来事の顛末も、果たしてその真相とは。江戸庶民の悲喜こもごもを紡ぐ連作集。しみじみとした味わい深い作品で、宇江佐真理の作品の中では好きな1冊。与平との偶然の出会いで、幸せを掴んだおよしの人生が心を和ませてくれる。
2024/11/16
星群
長男、次男、三男、三者三様が興味深かった。次男夫婦が、なんか微笑ましかった。『雑踏』が印象的。けど、男性より女性の方が何倍も強かで賢いんだと沁々思った。
2014/04/14
さなごん
最後でこうきたか!どんでん返しというべきか。およしさんよかった。おっかさんしっかりしてよ!
2015/12/29
baba
再読ながら引き込まれてあっという間に読んでしまった。与平が聞いた一つ一つの話しも与平自身の事も興味深く本の世界に入る事が出来た。宇江佐さんの市井の人々の話しを堪能して、幸せが何か伝わって来たました。
2014/09/12
剛腕伝説
聞き屋をする薬種問屋の隠居・与平。人情味溢れる市井の物語で相変わらず面白い作家。 でも、この作家独特の、設定や、思い付きの失敗が多く見られ、「何かなぁ」と思わせるのもいつも通り。与平の妻が語り手となり、与平の秘密を知っていたと告白すると、与平は殺意を覚えた‼️って、それは違うだろう。与平の人物設定にも合っていない。ここは、そうだったのか、40年もの間心配を掛けてしまったねと労う流れだろう。他にも先代の女将に声を荒げたり、一家皆殺しする夜盗を善人の様に描いてみたりと、稚拙な展開が目立つ、ある意味残念な作品。
2022/05/12
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