女流 林芙美子と有吉佐和子
女流 林芙美子と有吉佐和子 / 感想・レビュー
SigZ
★★★☆ 流行作家であり続けるために命をすり減らした二人の女流作家の評伝。そうまでして書き紡いだ物語も、今は読まれなくなってしまっている(『放浪記』は森光子のおかげで取り上げられているようなものだろう)のは、両者とも自分を投影したキャラクターしか書けなかったからではなかろうか。読んでいて面白いのは破天荒な林芙美子の方であって、有吉佐和子は老いともに次第に嫌な婆ぁになっていくインテリ女の話になってしまって、あまり具体像が浮かんでこない。育ちも頭もいい人からは、あんまり面白いエピソードが生まれないのかもね。
2010/12/23
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