アンダーリポート
アンダーリポート / 感想・レビュー
巨峰
物語の全貌が見えてくるまでなかなか時間がかかりました。アンダーリポートという題名は、解決しない犯罪、露見しない犯罪の報告という意味だろうか。一見地味な中年男性の撲殺事件を題材にここまで読ませる作者の技量を感じました。映画のような終わりが好きです。推理小説じゃないけど、考えさせられますね。
2017/09/19
ゆみねこ
再読。でも、全く内容に記憶がなかったので、ほぼ初読み状態。検察事務官の古堀と、15年前に交流があった隣人母子。そのころ交際していた女性とその叔母。15年ぶりに当時4歳だった娘が訪ねて来たことで、記憶の底に沈んでいた事件の謎を追いかけると言う物語。出てくる女性たちがみんな嫌いなタイプ、そして古堀も何だか煮え切らない男性という印象しか残らず。ここに感想を書きとめておかないと、多分また忘れそうなので記録。
2014/08/19
ミーコ
佐藤さん2冊め。私には合わなかった様で 時間が掛かりました。最後まで読んで疲労感が・・・。小堀さん 煮え切らない男で好きになれず…。くどかったです。「月の満ち欠け」は面白かったので 他の作品に期待したいです。
2017/12/29
ミライ
直木賞作家の佐藤正午さんによる長編小説(発売が2007年なのでかなり前の作品)。本作は検察事務官の主人公・古堀徹が、15年前に発生した隣人の父親が殺された事件についての真相についてひたすら妄想を続けていく作品、ラストまで展開はどんどん変わっていくので、どこまでが妄想なのかわからなくなってくる(がそこが面白い)。佐藤さんの本は、佐藤節みたいなものがあり文章を読んだだけで佐藤さんの作品だとわかる、(少しくどい説明も多いので)好き嫌いが分かれると思うが、個人的にはすごく好きだ。
2020/03/26
reo
この作品は直木賞受賞作「月の満ち欠け」より完成度が高いのではと思う。なぜならば「月の満…」は、一人の女の子を何度でも生まれ変わらせ、少し意匠を凝らせれば一丁上がりみたいな安易さがあるが、本作品にはその辺の手抜き?は一切無い。ただ字面を丁寧に追っていかないと、うっかり伏線を見逃す恐れがあるのでご注意かも。”事件の核心”の章から謎解きが本格意的になってくるが事件が解決したことにはならない。何故ならこれは飽くまでも古堀徹の私見「アンダーリポート」だからである。そしてまた最初のページへ戻る。面白いミステリー作品。
2017/12/26
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