飛龍伝: 神林美智子の生涯
飛龍伝: 神林美智子の生涯 / 感想・レビュー
ヨーイチ
図書館本。最後の章では落涙!カタルシス・排泄ってことでスッキリした。小生の場合、芝居と同じで「泣きたい気分になったら無理せずいっちゃえ」って思っているので(但し自己暗示は駄目)珍しい事では無い。大昔隆盛を極めた「つかこうへい現象」のような物を再確認。道具立が派手、難しい言葉無し、少ない登場人物、扱っている空間が狭い、等々今読むと「つか芝居」がそのまま工夫を凝らして小説になっただけ?って構造なのが分かる。当然、これらは小説としては傷になっている事もある。続く
2019/08/25
コウ
読んでいるときは、美智子と一平の感情の起伏が激しすぎると思いましたが、でも、そう思ってしまうのはフィクションの世界に自分の思いを期待してしまっているからかも。現実の出来事ならは、やはり、あそこまで感情が動かされるのかも。つかこうへいは偉大です。この本を読んでから、もう一度舞台を観たかったです。
2020/02/29
UPWOODS
初のつかこうへい作品。ドラマ「若者たち」の劇中劇で観て手にとったが、作品に封じ込められてる熱気が凄くてこれは舞台を観たくなる。とりあえず、映画の「幕末純情伝」、「2代目はクリスチャン」を観てみようかな。
2014/09/15
stanleyk2001
『お前は俺の妻になる女だ』全共闘の学生達はみな女を所有物扱い。それに比べて美智子を崇拝する機動隊隊長山崎の純情! 『若者たち2014』の劇中劇として演じられていたのはこの本だろか?と思って読んでみた。 安保闘争を舞台にしたロミオとジュリエット。1970年2月11日安保条約更新の日、愛し憎み合った二人は相容れない敵として対峙する。 どいつもこいつも人の心に土足で踏み込む奴らばかり。その踏み込み方は親兄弟のやり方。愛しているから容赦がない。あばらに食い込む角材の痛みがヘルメットを砕く鉛入り警棒が彼等の愛だ。
2014/09/15
りゅう
「つかこうへい」この六文字は、おれの青春の象徴であり、 今も血肉の中に刷り込まれている哲学と言っても過言ではないだろう。 戯曲も小説も、何冊も何冊も読んだ。 つかさんは演劇人だが、その枠にとどまらない才気がとめどなく溢れている。 何のために男と女は愛し合うのか。 真に闘うべきものは何なのか。 安保闘争の時代を生きた若者たちの物語。 一度その熱さに触れたら、火傷の痕は無視できない。 そしてその記憶が、永遠に心に刻まれる。 つかさんはまだ死んでいない。 その熱に触れたおれたちが、生きている限りは。
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